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南清貴「すぐにできる、正しい食、間違った食」

牛肉は危険!疾病廃棄率は実に85%、消費者はもう安い牛肉を求めるのはやめろ!

文=南清貴/フードプロデューサー、一般社団法人日本オーガニックレストラン協会代表理事
牛肉は危険!疾病廃棄率は実に85%、消費者はもう安い牛肉を求めるのはやめろ!の画像1「Thinkstock」より

 2月8日に発売となった筆者の最新刊『じつはもっと怖い外食』(ワニブックス)の前書きで、「ココイチビーフカツ事件」のことを書きました。そこでは「これは本当に氷山の一角というべきものであって、同様のことがこれまではなかった、あるいは今後は起きないと明言できない」と述べているのですが、まさしくそのとおりとなってしまいました。同事件でビーフカツを横流しした産業廃棄物処理業者ダイコーの倉庫からは、廃棄処分にすべきほかの食品が多数見つかっています。

 行政もさすがに危機感を感じ、このまま看過することはできないと判断したか、再発防止策として食品事業者に「今後は廃棄する際に開封するなど、商品として転売できない形にしてから廃棄すること」を求めています。また監視体制を強化し、産廃処理業者に対して抜き打ち検査を行うことを決めました。実は、これを決めたのは環境省です。

牛肉は危険!疾病廃棄率は実に85%、消費者はもう安い牛肉を求めるのはやめろ!の画像2

「それは厚生労働省の仕事ではないのか?」と考える人が多いと思いますが、これは食品の問題ではなく産業廃棄物の問題として扱われているため、環境省の管轄なのです。

 どうにもしっくりきません。縦割り行政の弊害が、こんなところにも出ているように思えます。国民にとって最も重要な食の安全を確保するために、各省庁が力を合わせて早急に対策を協議し実行してほしいところです。

 丸川珠代環境大臣は、ダイコーについて「食品リサイクル法の登録取り消しの手続きを進めていく」と発言していますが、それだけで再発防止ができると考えているのならば、現状把握がまったくできておらず、大臣失格といえるレベルです。そもそも、廃棄する際に開封など食品業者がやるでしょうか。監視体制をいくら強化しても、すべてを把握することは不可能です。何度抜き打ち検査をしても、産廃処理業者は次なる抜け道を考え出します。

 ダイコーが横流しした廃棄物を不正に転売していたみのりフーズのある岐阜県でも、再発防止のための有識者会議があり、会議後には「消費者は価格ばかりに目を奪われることなく、品質を見定めるようにしてほしい」というコメントが出されました。

南清貴

南清貴

フードプロデューサー、一般社団法人日本オーガニックレストラン協会
代表理事。舞台演出の勉強の一環として整体を学んだことをきっかけに、体と食の関係の重要さに気づき、栄養学を徹底的に学ぶ。1995年、渋谷区代々木上原にオーガニックレストランの草分け「キヨズキッチン」を開業。2005年より「ナチュラルエイジング」というキーワードを打ち立て、全国のレストラン、カフェ、デリカテッセンなどの業態開発、企業内社員食堂や、クリニック、ホテル、スパなどのフードメニュー開発、講演活動などに力を注ぐ。最新の栄養学を料理の中心に据え、自然食やマクロビオティックとは一線を画した新しいタイプの創作料理を考案・提供し、業界やマスコミからも注目を浴びる。親しみある人柄に、著名人やモデル、医師、経営者などのファンも多い。

『じつはもっと怖い外食』 8刷、3万部突破の『じつは怖い外食』の続編。外食や中食の最前線で働く人、辞めた人たちに“怖い"インタビューを敢行。グルメサイトの被害者やハンバーガーの異物混入問題、有名無実化した衛生管理者などに「危険な」証言を聞く。コンビニ弁当、カップラーメン、フライドチキン……のつくられている現場は、じつは“もっと"怖かった! 著者みずからが激安居酒屋、立ち食い蕎麦、ファミレスなどへの潜入レポートも掲載。 amazon_associate_logo.jpg

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