牛肉は危険!疾病廃棄率は実に85%、消費者はもう安い牛肉を求めるのはやめろ!
疾病により廃棄された牛は85.5%
ココイチのビーフカツは合成肉ですが、原材料の大半は当然、牛肉でしょう。その牛肉に関して、これは厚労省の食肉検査等情報還元調査で、全国での屠畜検査総頭数117万5991頭のうち、病気のため全部または一部を廃棄された数は100万5141頭と発表されています(平成21年度・厚生労働省生活衛生局乳肉衛生課調べ)。実に、その疾病廃棄頭数率85.5%です。
一般の消費者で、この事実を知っている人は何%いるでしょうか。このような事実を知らずに、消費者は正しく品質を見定めることができるでしょうか。このような情報を知ることによって初めて、自分がどのようなものを食べているのかを考えることができるのではないでしょうか。消費者が正しい判断を下し、正しい選択をするためには、その基準づくりのための情報が必要ですが、それが適切に開示されているかどうかは甚だ疑問です。
筆者は、おいしくて安全な牛肉を生産するために、牛を育てている生産者の方々を数多く存じ上げています。そういう方々を尊敬もしています。だから、決して彼らを困らせようなどとは考えていません。むしろ、応援しています。要は、消費者がもっと自分が食べるものに関心を持つべきだと言いたいのです。牛肉の生産者の方々は、病気の牛を育てようなどとは誰一人として考えていません。しかし、消費者が安い牛肉を求めるから、それに応えるべく、必死でコストを抑えて牛を育てているのです。その結果の疾病廃棄頭数率85.5%なのです。
この数字を知ってか知らずか、糖質を制限して動物性たんぱく質をたくさん食べろなどと言っている人たちが数多いるのには、あきれ果ててしまいます。ついでながら、屠殺された豚1694万3135頭のうち65.6%が疾病廃棄されています。
賢明なる読者諸兄諸姉におかれましては、正しい情報を元に、ご自分の判断基準を持って、ご自分やご家族が食べるものを選択していただきたいと願うばかりです。
(文=南清貴/フードプロデューサー、一般社団法人日本オーガニックレストラン協会代表理事)
『じつはもっと怖い外食』 8刷、3万部突破の『じつは怖い外食』の続編。外食や中食の最前線で働く人、辞めた人たちに“怖い"インタビューを敢行。グルメサイトの被害者やハンバーガーの異物混入問題、有名無実化した衛生管理者などに「危険な」証言を聞く。コンビニ弁当、カップラーメン、フライドチキン……のつくられている現場は、じつは“もっと"怖かった! 著者みずからが激安居酒屋、立ち食い蕎麦、ファミレスなどへの潜入レポートも掲載。