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宇多川久美子「薬剤師が教える薬のリスク」

夢のがん治療薬、重篤な副作用多発!死亡例や糖尿病で生涯注射が不可欠になる例も

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「Thinkstock」より

 日本人の2人に1人ががんになり、3人に1人ががんで命を落とします。日本人の死因トップであるがんの治療は、主に3大治療といわれる外科的手術、放射線治療、そして化学療法(抗がん剤治療)によって行われています。

 しかし、今、このがん治療が大きく変わる可能性が出てきたのです。日本の医療体系を覆してしまうかもしれない薬の名前は「オプジーボ」(一般名:ニボルマブ)です。

 がん細胞によって活動が制御されていた免疫細胞のブレーキを解除し、自分の免疫力を使ってがん細胞を攻撃する新たな免疫治療薬「免疫チェックポイント阻害薬」としてオプジーボが承認されたのです。

 オプジーボは、体重60kgの患者の場合で、1回の点滴治療に133万円かかり、投薬を1年間継続すると、その薬剤費は3500万円に上ります。

深刻な副作用が続出

 今回は、このオプジーボの副作用について考察します。

 昨年12月、オプジーボは非小細胞肺がんへの適応が追加されました。このことを受け、日本肺癌学会は同年12月18日、オプジーボに対して医師や患者の期待が高まっていることに対し「夢の新薬ではない」として、副作用対策や患者への説明の徹底を医療従事者に呼びかける声明文を公開しました。

 声明文は、同学会員だけでなく「肺癌薬物療法にかかわる医療者」宛てに出され、その中ではオプジーボの免疫学的副作用として大腸炎や肺臓炎、ギランバレー症候群、重症筋無力症などの重症例、死亡例も発現していることを指摘しています。自己免疫疾患を有する患者では増悪リスクが高いとして注意を呼びかけています。

 対策として「投与直後から長期間にわたって注意深いモニタリングが必要」と対応を促しています。また、オプジーボについて、その副作用と対策を十分理解している医師が治療にあたり、「アレルギーあるいは膠原病内科、消化器内科、代謝・内分泌内科、神経内科などの専門医との協働が可能な施設、または地域連携により、これらの専門的支援が直ちに受けられるような施設においてオプジーボによる治療が行われることが必要と考えられる」としています。

 投与患者についても、オプジーボの有効性と安全性は「全身状態が比較的良好な患者において確立されたもの」であることを強調しています。死亡例が多い高齢患者に対しても「十分留意する必要がある」として慎重な対応を求めています。

 患者に対して副作用の説明の徹底も求めており、異常時には直ちに受診する教育も重要だとしています。

『その「一錠」が脳をダメにする』


市販薬、処方箋、サプリメントの副作用など、
病気を抱える人だけでなく、小さな子どもや高齢者を持つ家族にも必読の1冊。

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