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石原藤樹「その医療の常識、本当ですか?」

「痛み止め」は極めて危険、死の恐れも…心筋梗塞や脳卒中、腎不全のリスク増大

文=石原藤樹/北品川藤クリニック院長
「痛み止め」は極めて危険、死の恐れも…心筋梗塞や脳卒中、腎不全のリスク増大の画像1「Thinkstock」より

痛み止めは気軽に飲んではいけない

 皆さんは頭が痛くなったときや腰が痛いときにどうしますか? 薬局で痛み止めを買って、それでしのぐ人が多いのではないでしょうか。最近、これまで医療用でしか使われていなかった多くの痛み止めが、処方箋なしで薬局でも買えるようになりました。それは本当に良いことでしょうか?

 眠れないからといって、睡眠薬を気軽に飲むことに問題があるということは、今では多くの人が理解していると思います。睡眠薬には効果もありますが、多くの良くない影響もあることが、一般にも知られているからです。

 その一方で、体が痛いときに痛み止めを飲むことについては、もっと気楽に考えている人が多いのではないでしょうか。これは多くの人が、睡眠剤より痛み止めのほうが安全だと考えていることを意味しています。しかし、それは事実でしょうか?

 実は必ずしもそうとはいえないことが、最近報告されています。

痛み止めとはどのような薬か?

 現在使用されている痛み止めは、その多くが非ステロイド性消炎鎮痛剤と呼ばれるタイプの薬です。アスピリン、メフェナム酸(ポンタール)、ジクロフェナクナトリウム(ボルタレン)、イブプロフェン(ブルフェン)、ロキソプロフェン(ロキソニン)、セレコキシブ(セレコックス)などがその代表で、COX(コックス)という酵素を阻害することにより、炎症性物質のプロスタグランジンを抑え、それにより痛みを和らげたり、熱を下げることがそのメカニズムです。

 しかし、この非ステロイド性消炎鎮痛剤は、多くの副作用や有害事象のある薬でもあります。一番多いのは胃潰瘍などの消化管出血で、これは胃の粘膜を守る働きをしているプロスタグランジンを、痛み止めが抑制してしまうために起こると考えられます。

 次に腎臓の働きを低下させることがあります。これは痛み止めが腎臓の血流を低下させるためだと考えられます。それ以外に心筋梗塞や脳卒中、心不全などの病気も、痛み止めの使用で悪化することが、最近報告されています。

高血圧の薬と一緒に痛み止めを飲むことの危険性

 急性腎不全というのは、なんらかの原因で腎臓の働きが急激に低下することです。これは重症の病気と考えられていて、イギリスの統計では、急性腎不全で病院を受診した患者さんの死亡率は、5割を超えるというデータが報告されています。こうした急性の腎不全の大きな原因の1つが薬の副作用です。

石原藤樹/北品川藤クリニック院長

石原藤樹/北品川藤クリニック院長

北品川藤クリニック院長。医学博士。1963年東京都渋谷区生まれ。信州大学医学部医学科大学院卒業。研究領域はインスリン分泌、カルシウム代謝。臨床は糖尿病、内分泌、循環器を主に研修。信州大学医学部老年内科(内分泌内科)助手を経て、心療内科、小児科を研修の後、1998年より六号通り診療所所長として、地域医療全般に従事。2015年8月六号通り診療所を退職し、北品川藤クリニックを開設、院長に就任
北品川藤クリニック

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