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「産後うつ」で自殺する女性が社会問題化…「夫の配慮が足りない」という誤解が蔓延

文=森真希
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生活スタイルを含め女性の体を整えることが大切

 産後うつ病は、洋の東西を問わず、古くから確認されていた症状である。紀元前4世紀にヒポクラテスが書いた『流行病』第3巻、そして紀元後200年頃に書かれたとされる中国の古典医学書『金匱要略』に産後うつ病の記述がある。

 日本では昔から「妊娠中や産後は針仕事をするな」「秋なすは嫁に食わすな」と言われてきた。妊産婦は目を酷使したり、体を冷やす食品を食べたりしないようにと警告を促す意味が含まれている。女性ホルモンの分泌量を計測することはできなくても、妊娠中と産後の女性は心身が大きく変動するから生活習慣も変える必要があると、人々は経験的にわかっていたのだ。

 現代の妊産婦はどうだろうか。スマートフォンで長時間にわたって目を酷使したり、ファッションを気にして薄着で過ごしたり、極端な食事制限をしたりしている場合、生活習慣を変えてみることも必要かもしれない。

 実際、東洋医学を勉強した助産師が、妊娠中から産後までの生活術を詳しくアドバイスしているケースもある。各メディアは、こうした専門家の声も取り上げてほしい。

 産後うつ病を防ぎ、治すには、夫など身近な人だけに責任を負わせるよりも、生活スタイルを含め女性の体を整えていくことも大切かもしれない。
(文=森 真希)

森 真希(もり・まき)
医療・教育ジャーナリスト。大学卒業後、出版社に21年間勤務し、月刊誌編集者として医療・健康・教育の分野で多岐にわたって取材を行う。2015年に独立し、同テーマで執筆活動と情報発信を続けている。

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