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「化学繊維は悪、天然素材は良」のまやかし…アトピー性皮膚炎の症状に違いなし

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シルクの服はアトピー性皮膚炎のかゆみを抑えない! 原因と治療法の扉が開きはじめた?の画像1
アトピーにシルクの服効果なし!(depositphotos.com)

 シルクの服は肌触りがよいため、皮膚への刺激も少ないだろうと思われがちだが、アトピー性皮膚炎の小児にはほとんど有益な効果をもたらさないという研究結果が、4月11日付「PLOS Medicine」に掲載された。

 アトピー性皮膚炎に伴う発疹やかゆみなどの皮膚症状は、着用する服の素材によって悪化したり落ち着いたりすると考えている人もいる。そのため、一部の親は毛(ウール)の服を避け、綿(コットン)や絹(シルク)など織り目の細かい布地の服だけを子どもに着せるようにしている。

重度のアトピー性皮膚炎の小児300人で検証

 今回の研究は、英国における中等度~重度のアトピー性皮膚炎の小児300人(平均年齢1~15歳)を対象として、普段着ている服またはシルクの服のいずれかを身に着ける群に1対1の割合で無作為に割り付けた。研究期間中、すべての被験者には皮膚症状に対する標準治療を実施した。その結果、6カ月後のアトピー性皮膚炎の重症度、医薬品の使用量、生活の質(QOL)に2群間で差はみられなかった。

 研究を実施した英ノッティンガム大学のKim Thomas氏らは、「本試験の結果、中等度~重度のアトピー性皮膚炎を持つ小児がシルクの服を着用しても、標準治療を超える臨床的・経済的なベネフィットを得られる可能性は低いことが示唆された」と述べている。

アトピーには天然素材がいいとする多くの商品

 巷では「アトピー性皮膚炎にやさしい下着」「かゆくならない天然素材」などのうたい文句で販売される無数の商品がある。

 ほとんどの宣伝文句としては、「化学繊維は速乾性が高く保湿できないために、静電気も発生し、ちくちくとしたかゆみを感じる。そのため天然素材を使おう」と呼びかけている。また一部のサイトでは、静電気が筋肉を痙攣させ、知らないうちに疲労が蓄積される。アトピー性皮膚炎を悪化させない肌着で疲労も回復するとまで言及している。

 天然素材として推奨されるのが、綿や麻、毛や絹。最近ではオーガニックコットンという呼び方を使う場合も少なくない。これらは「日本アトピー協会推奨品」としているものも少なくない。

 研究の対象になったシルクでは、その特徴として保湿性、保温性、肌触りがよいことが挙げられている。だが、この特徴がアトピー性皮膚炎を悪化させないという根拠はほとんどなさそうだ。

 今回は、アトピー性皮膚炎対策としての肌着や衣服に使うべき天然素材のうち、シルクの臨床的な有効性が否定されたことになる。しかし、確かに化学繊維などより天然素材のほうがアレルギーを起こしにくそうだというイメージは強いため、こうした商品の需要は衰えないのかもしれない。

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