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南清貴「すぐにできる、正しい食、間違った食」

子供のアレルギー激増、母親の小麦・牛乳食が原因か…給食、存続不可能の恐れ

文=南清貴/フードプロデューサー、一般社団法人日本オーガニックレストラン協会代表理事

なぜ日本でアレルギーが増えたのか

 日本では、アレルギーは1970年以前には珍しい症状でした。その頃から急激に増え始めたのですが、原因は定かではありません。その年は大阪万博が開かれ、ファストフードが日本に初上陸したことから、ファストフードがアレルギーの原因なのではないかと疑う人がいます。もちろん、それも原因のひとつと考えられますが、筆者は別のところにその主たる原因があると考えています。

 70年頃から子供のアレルギーが増え、特にアトピー性皮膚炎が激増することには、その子供を産んだ母親の体が深く関連しています。平均的に考えて、70年に子供を産んだ母親の年齢は、おおよそ25歳くらいでしょう。今よりは平均出産年齢が低かったので、おそらく、当たらずとも遠からずといったところだと思います。

 では、その母親たちが生まれたのはいつ頃でしょうか。45年頃です。45年といえば、終戦の年です。戦後の混乱のなかで、飢えと戦いながら、なんとか生き延びた人たちが、平和のなかで子供を産んだのが70年ごろと推定されます。

 その母親たちは、どのようなものを食べて育ったのでしょうか。食糧が不足するなか、アメリカからの援助物資である小麦粉と粉乳(アメリカで豚のエサになっていたもの)を食べていたのです。もちろん、飢えるよりはましだったのでしょう。しかし、それまで食べてきた伝統的な食事とまったく違うものを食べて、すぐに体が順応できるとは考えられません。食べたその人の体には、特別なことは起きなかったかもしれませんが、産んだ子供には異常が起きた。それが、アトピー性皮膚炎などのアレルギー反応だったと、筆者は推測しています。この推測が当を得ているかどうか、まだあと数年を経なければわかりません。

 今現在、各種のアレルギーで悩んでいる人たちが、小麦と牛乳をやめれば即座にアレルギーから解放されるなどということはないでしょう。しかし、次の世代のために、そのまた次の世代のために、私たちの子孫が未来永劫、ずっと健康でいられるために、私たちは自分たちが食べるものを正しく選択しなければならないのです。

 グルテン、カゼインといった言葉など知らなくてもいいのです。日本人にとって、まともな食事とは何かを、もう一度、すべての日本人が考えるべきだと筆者は強く思います。少なくとも、小麦と牛乳で構成された食事は、日本人には合いません。その意味からも、厚生労働省が発表している日本人の食生活指針のなかから、小麦と牛乳は外すべきでしょう。この点について筆者は今、明らかに体制を批判しています。
(文=南清貴/フードプロデューサー、一般社団法人日本オーガニックレストラン協会代表理事)

南清貴

南清貴

フードプロデューサー、一般社団法人日本オーガニックレストラン協会
代表理事。舞台演出の勉強の一環として整体を学んだことをきっかけに、体と食の関係の重要さに気づき、栄養学を徹底的に学ぶ。1995年、渋谷区代々木上原にオーガニックレストランの草分け「キヨズキッチン」を開業。2005年より「ナチュラルエイジング」というキーワードを打ち立て、全国のレストラン、カフェ、デリカテッセンなどの業態開発、企業内社員食堂や、クリニック、ホテル、スパなどのフードメニュー開発、講演活動などに力を注ぐ。最新の栄養学を料理の中心に据え、自然食やマクロビオティックとは一線を画した新しいタイプの創作料理を考案・提供し、業界やマスコミからも注目を浴びる。親しみある人柄に、著名人やモデル、医師、経営者などのファンも多い。

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