1人暮らし世帯が1842万世帯
現在の日本で、総世帯数に占める多くが単独世帯=1人暮らしであることは周知の事実だ。2015年の国勢調査では総世帯数の35%、1842万世帯が単独世帯だった。これは、夫婦と子供からなる世帯の1429万世帯より400万世帯以上多い。
しかも単独世帯は今後も増え、夫婦と子供からなる世帯は減り続けると予測されているので、マーケティングとしては単独世帯を狙うことがますます重要になる。
また、単独世帯の高齢化も顕著だ。2000年には男性の単独世帯のうち、20代以下は38%だったが、15年は23%に減少。30代は19%から16%に減少。40代は14%から17%に増加。50代は横ばいだが60代は8%から16%に、70代は5%から9%に増加している。つまり30代以下と40代以上がほぼ半々となったのだ。
このようにこれからの企業には、単独世帯への対応が求められるということでなる。
支出が15年で40万円も減少、食費の割合が増加
そこで私は総務省「家計調査」に基づき、2002年から06年、2007年から11年、2012年から16年の各5年間の品目別の消費支出の平均値を比較して、増減を分析した。その結果を朝日新書から『中高年シングルが日本を動かす』として11月13日に出版する。
同書の中から、本稿では34歳以下の男性の消費支出を見る。消費支出の総額であるが、2002年から06年(第1期)、2007年から11年(第2期)、2012年から16年(第3期)の平均値で見ると、217万3505円、207万2402円、191万4964円となり26万円近い減少である。
1年ごとに見ると、2016年の支出の減少が大きいため、2002年は年間232万7441円なのに、2016年は177万5269円であり、55万円ほど減少している。
食料費は、第1期61万670円、第2期57万4871円、第3期58万1077円である。第2期から第3期で消費支出総額が減っているのだが、食料費は横ばいであるから、食費の割合が上昇していることになる。第2期は27.7%だが、第3期は30.3%である。