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三浦展「繁華街の昔を歩く」

ひたすら自宅で自炊する34歳以下男性たち…モノも買わず外にも出ず:衝撃的動向が判明

文=三浦展/カルチャースタディーズ研究所代表

もつ鍋で、シメにうどんが増えたらしい

 食料費を細かい品目別に第1期から第3期までの伸び率で見ると、伸び率が高いのは、めん類であり、特に生うどん・そばが、第1期を1とした場合、第2期1.29倍、第3期1.61倍と伸びている。金額でも5935円から7311円に増えており、米の3084円より2倍以上多い。だがカップ麺などの即席麺の伸びは1.15倍であり、あまり伸びていない。パンは横ばい。スパゲッティは1.34倍だが第2期からは減っている。

 つまり主食では生うどん・そばだけが順調に伸びているのである。ということは、ある程度自炊をしているということである。しかしご飯を炊くと、余ってしまいがちだ。だが、めんなら、その都度食べるので余りが出ないということが消費増加の理由だろう。
 
 生めん増加に伴って、おそらくそこに入れる具材である野菜も増えている。キャベツは1.39倍、白菜1.96倍、にんじん1.29倍、ごぼう1.5倍、れんこんは4.65倍である!

 肉類は豚肉と鶏肉が増えている。第1期では豚肉が2051円、鶏肉が1147円、牛肉が1483円だったが、第3期では豚肉が3194円、鶏肉が1876円に増えたのに、牛肉は1474円と横ばいである。

 値段が安い豚肉にシフトしたのだ。伸び率では豚肉が1.56倍、鶏肉が1.64倍である。他の生鮮肉は1.9倍。これはモツである。豚肉、鶏肉、モツに野菜を入れてうどん鍋をつくっている姿が浮かぶではないか! 

主婦化する若い男性

 
 魚介類では、いわし、さけ、塩さけ、さば、たらこ、という基本的なおかずが増加。魚介の漬物、つくだ煮、缶詰も増えているし、かつお節・削り節も1.68倍に増加だ。おかずが和食化しているものと推測される。ただしソーセージ、ベーコン、チーズは増加している。

 食用油、食塩、しょう油、乾燥スープ、風味調味料、ふりかけ、つゆ・たれ、他の調味料も増えている。他の調味料とは、こしょうの他、マスタード、ラー油、オイスターソース、ねりごま、酢みそ、タバスコソース、麻婆豆腐のもと 、浅漬けのもとなどを含んでいる。

三浦展/カルチャースタディーズ研究所代表

三浦展/カルチャースタディーズ研究所代表

82年 一橋大学社会学部卒業。(株)パルコ入社。マーケティング情報誌『アクロス』編集室勤務。
86年 同誌編集長。
90年 三菱総合研究所入社。
99年 「カルチャースタディーズ研究所」設立。
消費社会、家族、若者、階層、都市などの研究を踏まえ、新しい時代を予測し、社会デザインを提案している。
著書に、80万部のベストセラー『下流社会』のほか、主著として『第四の消費』『家族と幸福の戦後史』『ファスト風土化する日本』がある。
その他、近著として『データでわかる2030年の日本』『日本人はこれから何を買うのか?』『東京は郊外から消えていく!』『富裕層の財布』『日本の地価が3分の1になる!』『東京郊外の生存競争が始まった』『中高年シングルが日本を動かす』など多数。
カルチャースタディーズ研究所

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