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新見正則「医療の極論、常識、非常識」

中年のあなたの「ある習慣」が、老後の健康と寿命を大きく左右する

文=新見正則/医学博士、医師
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 常識君がいいます。

「毎日血圧を測定している人は、脈拍数にも着目するといいでしょう。起床時に計る脈拍数は健康状態を反映すると思っています。いつもの脈拍よりも早いときは、前の日に無理をしていることが多いのです。そんな生活を顧みるために血圧と脈拍を測定することは、中年以上の人には特に有益と思っています」

 非常識君が言います。

「脈拍は交感神経が興奮しても早くなります。つまり、脈拍数そのものが体に害があるという可能性のほかに、過剰な交感神経の興奮が体にとって悪影響を及ぼしているのかもしれません。ストレスがあれば脈拍数は上昇するのです。ですからストレスに強い体をつくる必要があるのです。極論君のように脈拍数が上がるから、散歩もしない、階段も上がらない、適度な運動もしないというのは間違っていると思っています。少々の運動でもあまり脈が速くならない体をつくる、脈が速くなっても運動をやめれば、比較的早く安静時の脈拍数に戻る、そんな体をつくることが大切なのです」

適度なストレスを体感する

 常識君のコメントです。

「ストレスに対応するには2つの方法があります。ひとつはストレスから逃げること、そしてもうひとつはストレスに強い体をつくることです。体や心が壊れるようなストレスからは当然逃げるべきです。しかし、逃げ回っていたのでは、少々のストレスでも逃げ回る必要性が生じます。ですから、適度なストレスを体感し、そしてそれに強い体をつくることも同じように必要なのです」

 非常識君の意見です。

「脈拍数は早いよりは遅いほうが良いと思っています。心臓の病気があって脈が遅くなる場合を除いて、脈は健康の指標のひとつと思っています。脈をゆっくりにする方法のひとつが、適度な運動であると思っています。そして早くなった脈を安静時の状態にすぐに戻すためにも、適度な運動が必要なのです。ですから適度な運動は健康には有益と思っています」

 非常識君らしくないコメントとなりました。
(文=新見正則/医学博士、医師)

新見正則/医学博士・医師

新見正則/医学博士・医師

1959年生まれ
1985年 慶應義塾大学医学部卒業
1985年~ 慶應義塾大学医学部外科
1993~1998年 英国オックスフォード大学医学部博士課程
1998年~ 帝京大学医学部外科に勤務

 幅広い知識を持つ臨床医で、移植免疫学のサイエンティスト、そしてセカンドオピニオンのパイオニアで、モダン・カンポウやメディカルヨガの啓蒙者、趣味はトライアスロン。著書多数。なお、診察希望者は帝京大学医学部付属病院または公益財団法人愛世会愛誠病院で受診してください。大学病院は紹介状が必要です。

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