「サトノダイヤモンドはついに完成の域へ」「工夫に工夫を重ねた仕上げのシュヴァルグラン」鈴木和幸が見極めた全17頭の状態。天皇賞(春)出走馬の最終追い切り診断公開中!
●鈴木和幸の第155回天皇賞(春)最終追い切り診断
「アドマイヤデウス」は、坂路で52秒6-38秒6を馬なり、最後1Fが13秒1とかかったのは、抑え込むように無理をしなかったから。先週のウッド6F82秒7-38秒2-12秒2いっぱいが事実上の最終追い切りで、動きは前走時以上にパワフル。休み明け好走の反動もなく、すこぶる順調である。
「アルバート」は、ダイヤモンドステークス勝ち後も中間、時計6本。あまり調教駆けするタイプではなく、特別速い時計はないがこの馬はこれで十分。今週はウッド5F69秒4-39秒3-12秒8を馬なり、これで前走時のそれより5Fで2秒近く速く、こと体調、仕上げに関して何の心配もいらない。
大阪杯でG1・4勝目をあげた「キタサンブラック」、中3週とあまりレース間隔はないが、それでも中間は6Fからの併せ馬を2本、先週は82秒6-38秒5-11秒7で1秒も先着して見せた。今週も併せ馬を敢行、さすがにゴール前強めにしかやらなかったが、きっちり前を半馬身捕らえ、反応のよさ、やる気まんまんさはこれまで通り。サトノダイヤモンドへのリベンジにぬかりはない。
今回は横山典弘騎手への手替わりでレースに臨む「ゴールドアクター」。その横山騎手が先週手綱を取り、ウッド6F80秒2-37秒7-11秒7、ゴール前仕掛けただけでこの好時計、鞍上との呼吸もぴったりだった。とりわけ強調されるのは、かかるところがひとつもなく落ち着き払っていたこと。今週は助手で単走の5F67秒0-37秒9-12秒9馬なり、先週同様に落ち着きがあり、惨敗した昨年とは心身ともに別馬の感すらある。美浦から京都競馬場への輸送にイレ込まなければ、との期待がかかる。
「サトノダイヤモンド」は、阪神大賞典(G2)で重賞4連勝を飾った後も元気いっぱい。坂路、ウッド併用で6本の時計を出し、この中にはウッドのラスト1F11秒台が2本、順調というよりさらに体調は上がっている。今週は前走前と同じようにウッドの半マイルからの短め、馬なりで頭ほど先着し53秒8-38秒9-12秒2。少しでも追えば大きく先着しただろうが、それはレースですればいいこと。重心が低く、華麗さよりダイナミックさを感じさせるようになり、ついに完成の域に達したといっていいだろう。手綱をとったルメール騎手も、「トップコンディションになりました」とニッコリだ。
日経賞(G2)で初重賞をモノにした「シャケトラ」は、その後1カ月の間に長短7本と、一段と調教を強化され、これに応えている。今週もウッドでの3頭併せとハードで、直線半ばから強めに追われると弾け、外2頭に先着の6F83秒1-37秒0、ラスト1Fはなんと11秒5の切れだった。キタサンブラック、サトノダイヤモンドとの初対決が何とも楽しみになってきた。
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