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日銀異次元緩和、根底から破綻か 逃げ惑う安倍首相ブレーン、孤立無援の黒田総裁

文=金融ジャーナリスト/黒羽米雄
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日銀異次元緩和、根底から破綻か 逃げ惑う安倍首相ブレーン、孤立無援の黒田総裁の画像1日本銀行本店(「Wikipedia」より/Wiiii)
 デフレ脱却に向け、不退転の覚悟で取り組んだ日本銀行の異次元緩和が始まったのは2013年4月。15年4月で「2年で2%のインフレ」という目標達成のめどとされた2年を迎えるが、開始当時に掲げた旗印を原油安の直撃で下ろさざるを得ない状況に追い込まれている。責任の波及を恐れた安倍晋三首相周辺のブレーンは退却を始め、目標のすり替えに躍起だ。かたくなに目標堅持にこだわる黒田東彦総裁は思わぬかたちで梯子を外され、いよいよ孤立無援の状態となってきた。

日銀副総裁、「目標達成は無理」

 2月4日、仙台市内で会見した日銀の岩田規久男副総裁は、2%の物価目標達成が「私ができるだろうと思っていた15年4月には間に合わない」と述べた。確かに原油価格の大幅下落は予想外だが、岩田副総裁は就任直前の13年3月に国会で「(2年以内に目標が達成できなければ)責任は自分たちにあると思う」「最高の責任の取り方は辞職するということだと認識している」などと発言していた。

 だが、さすがに責任追及の矢面に立たされるのは避けたいと思ったのか、予防線を張っていた。雲行きが怪しくなっていた14年10月、インフレ目標が達成できない場合は辞職する考えを表明したことに関し、「(達成できなければ)自動的に辞めると理解されてしまったことを、今は深く反省している」と弁明。「電車の時刻表のようにきちんとはできない」と開き直りも見せていた。

 確かに、14年春時点では物価上昇率は前年比1.5%だったが、世界的な資源安に襲われ、足元では0%台となりマイナスに陥る可能性すら出てきた。前提が狂ったとはいえ、自らのクビをかけると豪語した以上は謝罪して済む問題ではないだろう。

 対照的に、かたくなに目標未達を認めないのは黒田総裁だ。1月下旬からの国会の予算委員会で野党から、事実上の目標時期の先送りは避けられないのではと追及され、はた目にも苦しい弁明に終始した。「2年で2%」とは誰もが耳にしていたはずなのに、「きっちり2年とは言っていない」「どこの中央銀行も(2年で2%にきっちりなるとは)予見できない」などと繰り返した。どのようにも解釈できる「15年度を中心とした時期に(目標を)達成する」と用意した想定問答集を用いながら、13年4月の緩和当初から目標達成時期の認識に変化がないことを強調した。

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