「Thinkstock」より 一時ほどではないようですが、いまだに「ダイエット中だから、カロリーの高いものは食べない」などと意味のないことを言っている人を見かけることがあります。そもそも、こういう人はダイエットの意味を取り違えているのです。それも無理のない話で、ダイエットという言葉が日本に入ってきた時に、意図的かそうでないかは別として、ねじ曲げられた解釈で伝わってしまったために、誤解した人がほとんどだったのです。それがいまだに続いているのです。
ダイエットについては、2014年9月18日付当サイト記事『嘘だらけのダイエット 単品、カロリー、糖質ゼロ…白米と砂糖は食べていけない?』で取り上げましたが、ここでおさらいをしておきましょう。ダイエットの本来の意味は、広義には食品全般あるいは飲食物ということですが、限定的に「健康的な食事のシステム」という意味でも使われます。アメリカの医師と管理栄養士がタッグを組んで、肥満の人たち向けの食事による健康改善プログラムを考案したのが始まりです。後々、健康な人たちも実践するようになったわけですが、当時そのダイエットに目をつけたのが日本の女性を対象とする雑誌でした。
ダイエットをセンセーショナルに取り上げ、特集を組み「痩せる」ための方法として紹介したのです。雑誌を作る側は売れなければ困るので、できるだけ刺激的に、可能な範囲で過激に書きます。それを読んだ人たちは、自分流に解釈して、短絡的に理解できる範囲で実践しようとします。それが「痩せるためにはカロリーさえ少なければよい」という単純発想になったのかもしれません。しかし、本来はダイエットによって「痩せる」というのは一つの結果であって、それを目的とするものではありません。肥満の人たちが、健康的な食事(ダイエット)を続けることで、さまざまな良い影響が出て、結果として肥満が解消されたということなのですが、それが「痩せる」ための方法論のように受け止められてしまったため、逆にそれを利用しての物品販売などのビジネスがはやりだし、ブームのようになってしまったのです。
ダイエット中でも油の摂取は必須
今や無数といっていいほどのダイエット法が存在していますが、それらのダイエットの中では、「油(オイル)」はどうやら悪者扱いされているケースが多いようです。しかし、それは間違いです。適正な種類と量のオイルを必ず摂取してください。古い栄養学では、油は1グラム9キロカロリーの物質でしかなく、その種類にまで言及しません。これがそもそもの間違いです。油には種類があります。とはいえ、サラダ油や天ぷら油といった種類ではありません。ここではオイルを構成する脂肪酸の種類を重視します。