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中国、大量の日本人拘束が発覚…安倍政権は静観し対応放棄、中国へ貢献活動の人物も拘束

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権力闘争の影響か


 その他、S氏を知る多くの人たちに取材をしても、「彼に限っていえば、中国人寄りで中国を愛していた」という話が圧倒的だが、なかにはこんな懸念を口にする人もいる。

「彼ほど中国を愛した人がなぜ、という気持ちはある。ただ中国当局も何か理由があるのだろう。理由として少し引っかかるとすれば、14年5月、元中国大使館の公使参事官をしていたTさんが中国本土で消息が途絶えたことがあった。その直後、Tさんは日本の政治家らと親しく中国の重要情報をもたらした容疑で拘束されたという噂が広がりましたが、SさんはTさんと親しかったともいわれている。しかし、Tさんと親しかった日本人は数多く、それだけの理由で疑われたとすれば気の毒です」

 そのT氏は共産主義青年団中央委員会の出身で、胡錦濤元国家主席の流れに属するという情報もあり、T氏拘束は胡錦濤と習近平現主席との激しい主導権争いの渦に巻き込まれた結果ではという説も飛び交っていた。

 S氏の別の知人はこう嘆く。

「拘束される直前、何か最近中国にいくと尾行されているような気がすると、不安を口にしていた。いずれにしてもSさんのような親中国の人まで疑われ逮捕されるということは、日中友好関係には大きな痛手。私たちはSさんが中国の裁判で無罪を勝ち取り釈放されることに、まだ一縷の望みをかけています」

 そして、こう締めくくった。

「大きなふくよかな体と笑顔で、よく都内の赤羽の立ち飲み屋で国際情勢を侃々諤々話したのが懐かしい。彼がもう一度、あの立ち飲み屋で豪放磊落に酒を飲める日が来ることを祈りたい」

日中関係に亀裂


 いずれにしても民間交流や経済協力をしたあげく拘束、逮捕される恐怖がつきまとえば、日中の底流に流れる友好関係に亀裂が入ってしまう。それは両国や両国民にとって大きな損失だ。

 幸い中国の外交担当トップの楊潔篪国務委員(副首相級)が5月末に日本を訪問し、谷内正太郎国家安全保障局長と会談。7月のドイツでのG20首脳会合に合わせた日中首脳会談開催に向けて調整を進めるなど、日中関係は改善の方向に向かっている。

 今回の地質調査会社関係者の拘束者も含め、日本政府は即解放を中国当局に積極的に要請すべきである。
(文=田村建雄/ジャーナリスト)

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