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衆院選、1回の実施に税金6百億円投入…有権者の2人に1人しか投票に行かない理由

文=山田稔/ジャーナリスト
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低投票率の原因は有権者の意識?

衆院選、1回の実施に税金6百億円投入…有権者の2人に1人しか投票に行かない理由の画像2「衆議院議員総選挙における投票率の推移」(「総務省HP」より)

 戦後の投票率の変遷を見てみると、平成になってからの低下傾向が顕著だが、それでも郵政解散、民主党政権発足といった大きな転換点には70%近くまで跳ね上がっている。

 ところが民主党政権の迷走が有権者の政治不信を加速させたのか、野田政権末期に行われた2012年の選挙以降、安倍政権になってからも投票率は60%を切ったままだ。ここ2回は戦後最低水準というありさまである。

 今回の選挙でいえば、台風の影響もあるかもしれないが、台風を避けて期日前投票を行った意識の高い有権者が過去最多の2137万人(前回比62%増)に達したことを考えると、要因はそれ以外にもあるのではないのか。

 世代間の差はどうか。総務省のデータで戦後の世代別投票率の推移をチェックしてみた。

 衆参同時選挙で投票率が74.57%となった1980年の第36回総選挙では、20代の投票率が63.13%、30代が75.92%。もっとも高いのが50代で85.23%、次が60代で84.84%となっている。このころまでは、20代の投票率が6割を超えることも多かった。

 戦後最低の投票率を記録した2014年をみると、20代は32.58%、30代は42.09%にまで低下。もっとも高かったのは60代で68.28%、次が50代の60.07%となっている。20代はほぼ半減、30代も30ポイント以上の低下で、若者世代の投票離れが顕著だ。

 社会のリーダー的世代である50代の低下傾向も気になるところだ。昭和には80%超で推移していたのが、平成に入ってから70%台に落ち込み、前々回は68.02%、前回は60.07%と6割を切る寸前まで落ち込んでいる。社会のけん引役である50代の政治離れは深刻だ。

 低投票率を有権者の意識の問題と言ってしまえばそれまでだが、投票結果が雪崩現象を引き起こしやすい小選挙区制や、大マスコミの執拗な情勢報道の影響はないのだろうか。

 せっかくの一票が死に票になったり、小選挙区で落選させた政治家がゾンビ復活するシステムへの不信感、一票の格差の問題、投票日前に「与党300議席をうかがう勢い」などと繰り返す報道によって生じる空虚感。さまざまな要因が重なって投票率は低下し続けている。

 もちろん、有権者の政治不信を招いている最大の原因は、政治の暴走や政治家の劣化だ。しかし、有権者が投票に行かなければ政治は変わらないし変えられない。

 有権者の意識を投票行動につなげるような思い切った改革が必要な時期に来ているのではないだろうか。
(文=山田稔/ジャーナリスト)

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