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筈井利人「陰謀論を笑うな!」

ロスチャイルド陰謀論の化けの皮を剥ぐ…デタラメだらけの挿話を徹底検証

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 ネイサン・ロスチャイルドは、独り占めした情報によるインサイダー取引まがいの短期売買で儲けたのではない。終戦が英国の財政と経済に及ぼす影響を分析し、その読みに基づく長期の投資で利益を得たのである。

 もちろん読みが的中する保証はなく、外れれば逆に大きな損失を被った可能性もある。周囲の意見に逆らって英国債を辛抱強く保有し続けていたとき、ネイサンの胸中は決して穏やかでなかったはずだ。

 疑似科学や陰謀論を批判するライターのブライアン・ダニングはウェブサイト「スケプトイド」で、ロスチャイルドがワーテルローの戦いにおいて英国債の売りで他の投資家を騙し大儲けしたという歴史的記録は、1940年の反ユダヤ的ドイツ映画『ロスチャイルド家』まで存在しないと述べる。ファーガソンも、ナチスの宣伝相ヨーゼフ・ゲッベルスが公開を承認したこの映画によって、ロスチャイルド伝説に尾ひれがついたと言う。

 多くの陰謀論者は、ロスチャイルド一族がまるですべてを見通す悪魔であるかのように描く。しかしロスチャイルド一族も人間である以上、将来を完全に予測し、抜かりなく立ち回ることなど不可能である。未来の不確実性からは誰も逃れることができないという事実を、お粗末な陰謀論者は忘れている。
(文=筈井利人/経済ジャーナリスト)

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