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新見正則「医療の極論、常識、非常識」

患者が治らない状態をキープして儲ける病院、成果に無関係に治療費を支払わせ続ける病院

文=新見正則/医学博士、医師
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 非常識君のコメントです。

「1958年(昭和33年)に国民健康保険法が改正されて、現状と同じような医療システムが確立されました。誰でも、いつでも、どこでも病院にかかれるシステムです。本当に素晴らしいシステムだと思っています。現状では保険によって通院できる病院を制限されることもなく、また最大の負担割合も3割で、かつ暦月の支払いに上限が設けられています。どれだけ医療を受けようが、支払いには上限があるのです。

 そうであれば、ちょっとでも良さそうなことはなんでも行うようになりますね。総量規制がされていないと、どんどんと医療費は膨張します。今でも年間40兆円を超えていて、そして多くの医療関係者が現状のシステムの将来的な維持は難しいと思っています。ですから、個人や病院が利用できる総額を決めてしまえば、不必要な医療は行われなくなります。また少々のご利益があっても採算という観点から排除される医療もあるかもしれません。しかし、どこかで歯止めをかける必要があるのです」

 極論君の意見です。

「では、まず試しに自由診療で『●●円で●●を治します。そして治らなかったとき、ご不満なときは全額返金します』といった医療を行えば良いのです。保険診療ではないので自由が利きます。そして本当に自信があれば、患者さんも集まるでしょう。でも自由診療の領域でもそんなシステムはほぼ目にしません。本当に行っている治療に自信があれば、そんなことはできそうですが、全額返金システムはあまり目にしませんね」

 非常識君の意見です。

「結果にコミットする医療ということですね。結果が出なければ全額返金というのは、よほど自分の治療に自信がなければできないシステムです。裏を返せば、多くの医療機関はあまり満足感を得られていないのに、でも医療を行っているという実績をベースにお金を頂いているということになります」

 極論君の意見です。

「僕は結果にコミットする病院、クリニック、歯科医、鍼灸院などがあれば、つまり全額返金システムを設けているところがあれば、ぜひ行きたいと思っています。そんなことは無理なのでしょうかね。誰かやってもらいたいものです」

(文=新見正則/医学博士、医師)

●新見正則(にいみ・まさのり)
1959年生まれ
1985年 慶應義塾大学医学部卒業
1985年~ 慶應義塾大学医学部外科
1993~1998年 英国オックスフォード大学医学部博士課程
1998年~ 帝京大学医学部外科に勤務

幅広い知識を持つ臨床医で、移植免疫学のサイエンティスト、そしてセカンドオピニオンのパイオニアで、モダン・カンポウやメディカルヨガの啓蒙者、趣味はトライアスロン。著書多数。なお、診察希望者は帝京大学医学部付属病院または公益財団法人愛世会愛誠病院で受診してください。大学病院は紹介状が必要です。

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