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六代目山口組による銃撃事件が頻発する理由…会津小鉄会会長襲撃も面子をかけた威嚇行為だったか

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機関紙にて、神戸山口組や任侠山口組を痛烈に批判していた四代目倉本組・津本力組長

 5月19日に京都市内で起きた、七代目会津小鉄会・金子利典会長らへの襲撃事件。事件発生当初から、逃走した襲撃犯はすぐに逮捕されるのではないかと関係者らの間で予想されていた。襲撃時、犯人らが覆面で顔を隠すようなことをしていなかったからだ【参考記事:会津小鉄会会長襲撃で抗争再燃か】。

 そして5月30日、事態は動いた。この事件の実行犯として、六代目山口組傘下である四代目吉川組系組員らが、京都府内の警察署に出頭したのである。

 事件発生当初、多くの関係者が“ある勢力”の犯行ではないかと疑った。会津小鉄会は昨年1月、七代目体制をめぐって組織が分裂。金子会長と対立する原田昇会長も七代目会津小鉄会会長を名乗っていたのだ。さらに金子派を神戸山口組が、原田派を六代目山口組が後押しするという構図のなか、最近は表立った衝突はなかったものの、常に水面下でのにらみ合いが続いていた。それゆえ、金子会長襲撃も原田派の関与を疑う向きが出ていたのである。

 だが、実行犯は六代目山口組系組員だった。確かに事件発生当初から、六代目山口組三代目弘道会最高幹部が京都に入ったという情報は流れており、また、その後しばらくの間、弘道会系幹部らが京都に滞在していたことが捜査関係者にも確認されている。しかしなぜ、原田派といわれる七代目会津小鉄会ではなく、六代目山口組四代目吉川組系組員らが犯行に及んだのか。これについて、六代目山口組関係者はこのように話す。

「それは会津小鉄会分裂以前、六代目山口組の若頭の後見に対して、金子会長らが反発した動きを見せたからではないか」

 現在の原田派と呼ばれる七代目会津小鉄会の後見人は、六代目山口組若頭補佐である三代目弘道会・竹内照明会長だが、それ以前、六代目会津小鉄会の後見人は、現在府中刑務所に服役中の六代目山口組・髙山清司若頭が務めていた。

 この関係者の話では、その髙山若頭の承認を得て発足したのが原田会長率いる七代目体制であり、その原田会長の後見人となったのが竹内会長だという。つまり、六代目山口組からしてみれば、そうした後見人の意向を無視して誕生したのが、金子会長率いる七代目会津小鉄会だったわけだ。

「向こうの会津小鉄会(金子派)は、神戸山口組と親戚付き合いをしている。なおさら、六代目山口組最高幹部が後見人として決めた決定などには従えないということなのだろう。そんな金子派を六代目山口組側としても、おもしろく思わないのは当然ではないか」(同)

 他組織に対する内政干渉ではなく、あくまで六代目山口組の面子に関わる問題だとこの関係者は話している。そうした六代目山口組内の“空気”にいち早く反応してみせたのが、四代目吉川組系組員ということなのだろうか。

活発化する切り崩し工作

 四代目吉川組といえば、積極的に神戸山口組への切り崩し工作に動いているとみられており、先日も神戸山口組の中核組織・五代目山健組発足に伴い、その動向が注目されていた生島組・生島仁吉組長を自陣に加入させるなど、注目を浴びていた。

 ただ、六代目山口組で活発な動きを見せているのは四代目吉川組だけではないと他の関係者は話す。

「3月に起きた、神戸山口組幹部である古川(恵一・三代目古川組)総裁襲撃事件では、六代目山口組十一代目平井一家組員が襲撃に関わったとして逮捕されている。昨年6月、兵庫県稲美町にある神戸山口組・井上邦雄組長の別宅と呼ばれる関係先に銃弾が撃ち込まれた事件では、5月21日に六代目山口組四代目倉本組系組長らが逮捕されている」

 四代目倉本組を率いる津田力会長といえば、六代目山口組で若頭補佐を務めており、昨年11月に発行された山口組新報14号では、「自称神戸を冠する謀反組、同じく自称任侠を冠する謀反組」との表現で、神戸山口組と任侠山口組を痛烈に批判していた人物。さらに「そろそろこの騒動を終焉に向かわせねばならないと思うにあたり」と記し、離脱した下部組員に対して、六代目山口組に帰参するように呼びかけていた。

 この時期に、六代目山口組サイドが活発な動きを見せる裏側にはいったい何があるのか。ヤクザ事情に詳しいジャーナリストはこのように指摘する。

「六代目サイドは、離脱した神戸山口組や任侠山口組組員たちの帰参のリミットを8月としているので、それを意識してのものではないでしょうか【参考記事:六代目山口組、他陣営の切り崩しを活発化】。離脱した下部組員に帰参を呼びかけ、一方で見せしめのように暴力を行使する。これこそヤクザの常套手段です」

 この指摘が当たっているとすると、今後しばらくは、武力行使を含む物騒な状況が続くことになる。

 対する神戸山口組では、新体制となった中核組織・五代目山健組が盤石といわれるスタートを切り、任侠山口組では、兵庫県尼崎市で2カ月ぶりとなる会合を開き、新直参の組長2人が姿を見せ、一致団結を新たに誓ったといわれている。今後、三つ巴の状況はどういった展開を見せるのか。予想すらできない状態が続いている。
(文=沖田臥竜/作家・元山口組二次団体幹部)

●沖田臥竜(おきた・がりょう)
元山口組二次団体最高幹部。2014年、所属していた組織の組長の引退に合わせて、ヤクザ社会から足を洗う。以来、物書きとして活動を始め、『山口組分裂「六神抗」』365日の全内幕』(宝島社)などに寄稿。著書に『生野が生んだスーパースター 文政』『2年目の再分裂 「任俠団体山口組」の野望』(共にサイゾー)。最新刊は『尼崎の一番星たち』(同)。

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