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安倍政権下で国民の実質賃金5%減…消費増税の裏で大企業と富裕層には減税

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大企業と富裕層の減税の穴埋めとして消費税増税

 消費税が導入された1989年の税収は54.9兆円、2016年の税収は55.5兆円で、28年間ほとんど変わりません。しかし、消費税は3%→5%→8%と増税されています。逆に減ったのは法人税と、高額所得者を中心とした所得税です。つまり、消費税は大企業と富裕層を減税して減った分の穴埋めにされているわけです。

法人税などが減税されて税収が減った分を、低所得者も払う消費税で穴埋めしているのが実態だ

 そもそも消費税は、社会福祉を充実させる目的で導入するとうたわれていました。しかし、少子高齢化も進んで福祉の費用が増えていく一方で、税収は増えていないから福祉が向上しないのです。消費税を増やすなら、税収そのものが上がっていなければおかしいのです。

 一方、労働者の賃金は、消費税を3%から5%に上げた1997年からずっと下がりっぱなしで、民主党政権時代はなんとか横ばいでした。ところが第2次安倍政権になってから5%も下がっている事実を見てください。
 
 1990年代以降、実質GDPはほとんど変わりません。それどころか、第2次安部政権発足以降、実質賃金だけが5%下がっているのは政治が悪いからです。

 消費税増税とは反対に減税された法人税の影響はどうでしょうか。法人税を下げたとき、企業の国際競争力をつけることが理由として挙げられました。法人税を下げると、下げた分を企業が事業に使って日本企業は強くなるという論理です。実は、私の前職はハイテク系のベンチャー企業に投資をしていました。自分でハイテク系のベンチャー企業の経営をしていたこともあります。ITやライフサイエンス産業などの先端分野で何が起きてきたかを専門的に見てきました。

 この分野で日本は、中国やインドにボロ負けしています。いろいろな指標がありますが、いずれも日本の産業力はアジアで6~7位でした。法人税減税の結果として、産業競争力はまったく上がっていないのです。単純に税金を減らして大企業の利益を増やしただけです。

 大企業や富裕者を減税して景気が良くなるわけがありません。労働者や若者はやる気をなくし、出生率も下がっています。若い人や新しい人がどんどん入り、働くことで、発展して国際競争力が高まります。しかし、現在の政治は若者をないがしろにし、教育の機会を奪ったり、奨学金という名の借金漬けにしています。その結果、結婚できない、子供をつくれないという状況の人が増え、若者が生きていく道の選択肢が減っていくのです。そもそも家庭が貧しくて高等教育が受けられず、就職口も少なくなるという、“貧困の連鎖”が日本でも起きています。

 いま、単身世帯の20代の6割近くが貯蓄ゼロです。そのパーセンテージは急速に増えています。高齢者の方のケアも大切ですが、こうした若い人たちに働いてもらって高齢者の福祉を賄っていくしかないじゃないですか。それなのに、なんとなく安倍政権が押し出してくる「株が高い」「経済はうまくいっています」みたいな雰囲気にのまれているのです。

アベノミクスに全面対決する経済政策を

――単身世帯の20代の貯蓄ゼロは2012年に38.9%だったのが、17年には61.0%にまで激増していますが、14年に消費税が5%から8%に増税されたあとに増えています。増税による出費増が生活や人生設計に大きく影響しているわけですね。

黒川 消費税をゼロにして本当の景気回復を図るべきです。加えて抜本的な経済政策を市民が打ち出し、選挙になだれ込むべきです。4月に行われた市民団体「オールジャパン:平和と共生」主催の院内集会で、消費税ゼロをはじめ、アベノミクスに全面対決する経済政策をエコノミストの植草一秀氏が発表しました。細かな内容や数字的なことは議論していくとして、十分にたたき台になると思います。

「『むしり取る経済政策』から『分かち合う経済政策』へ」をスローガンにするその政策は、次のとおりです。

(1)消費税をゼロ
(2)最低賃金を国が保障
(3)最低保障年金の充実
(4)9兆円の奨学金徳政令(借金チャラ)
(5)一次産業すべてに個別所得保障
 
 これらは99%の人々、生活が苦しいと感じている6割の人のための政策であり、実は、その財源はあるのです。
(取材・文=林克明/ジャーナリスト)

【関連情報】
■6.6オールジャパン総決起集会「愛・夢・希望の市民政権樹立へ!」
.日時:6月6日(水) 午後4時開場 午後4時30分開会
場所:憲 政 記 念 館 講 堂(国会議事堂前)
住所:東京都千代田区永田町1-1-1.
丸ノ内線・千代田線 国会議事堂前駅下車 2番出口から徒歩7分
有楽町線・半蔵門線・南北線 永田町駅下車 2番出口から徒歩5分

参加費:無料
主催者ホームページ

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