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榊淳司「不動産を疑え!」

スルガ銀行事件、パニックの序章か…日本中で過剰な不動産融資、一斉に不良債権化も

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第三者委員会の調査結果を受け会見するスルガ銀行の有国三知男新社長(写真:東洋経済/アフロ)

 あの平成大バブルの崩壊過程で、最大の問題といってよかったのが住専(住宅金融専門会社)の不良債権だった。

 低信用のエンドユーザー(一般消費者)が住宅を購入する場合、当時の住宅金融公庫や銀行のローン審査で落とされてしまうことが多い。やや高い金利で彼らに住宅購入資金を融資していたのが住専。しかし、住専の持っていた融資債権がバブル崩壊とともに不良化した。その構造は2007年頃にアメリカで表面化したサブプライムローンと同じ。低所得者へ貸し付けた住宅購入資金が次々に焦げ付いたのだ。やがてそれはリーマンショックへとつながる。

 そして今回、日本ではかぼちゃの馬車スルガ銀行の問題が起こった。最近ではTATERUも同じ構造だと推測できる問題となっている。基本スキームは常に同じ。低信用のエンドユーザーが購入する資産価値が怪しい不動産を担保に過剰な金額の融資を行い、それが数カ月から数年後に焦げ付いて不良債権化する。

 実はこのスキーム、今の中国では日本の何十倍という規模で行われているらしい。かの国は統計数字が信頼できないから、正確なところがわからない。すでにデフォルト騒ぎは起こっているようで、それがいつ世界経済に影響を与える規模に拡大するのかが懸念される。

 今回、スルガ銀行の行ったかぼちゃの馬車オーナーへの融資が大きな問題になっている。属性の不確かな個人投資家に対し偽造書類などで審査を通し、担保価値以上の金額を融資したところ、賃料保証をしていた開発業者が倒産して、オーナーたちがスルガ銀行からの融資を返済ができなくなったのだ。

 実のところ、不動産業界ではスルガ銀行は「最後のもっていきどころ」だった。個人投資家が不動産投資を行う場合に、ほかの銀行ですべて断られた案件でも、スルガなら融資を出してくれた。ただし貸出金利はだいたい3%前後高くなる。これはベラボーな数字だが、本気で不動産を買いたい人なら借りてしまう。あるいは短期間の所有ののち、転売しようとした場合には年利換算で3%ほど利払いが余計に嵩んでもさほど大きな負担ではない。

 こういう事情もあって、スルガ銀行は個人の不動産投資家にとっては最後の「駆け込み寺」ならぬ、「駆け込み銀行」になっていた。

 そして、銀行業界では「スルガ銀行に負けるな」とばかりに、そのビジネスモデルを模倣するいくつかの地方銀行と信用金庫が現れた。数にして4または5。これらの銀行も盛んに個人投資家向けに不動産担保融資を行った。

 その結果、今の日本には銀行から甘い審査で貸し出された不動産担保融資の残高が山のように積み上がっているはずだ。2017年に新たに貸し出された不動産融資は約11兆7000億円。そのうちアパートなどの貸家向けは約3兆3200億円。この約1割が不良債権化するとして約3000億円。今の局地バブルが始まった2015年からの累積を推計すると約1兆円弱になる。ただ、これはあくまでも推計である。

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