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北海道地震でコンビニから食べ物が消えた「本当の理由」

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食品が消えたスーパーの棚(写真:アフロ)

 9月6日に北海道を襲った地震は、早朝3時7分に発生しました。

 多くのコンビニエンスストアで商品が納品されず、店頭に弁当、おにぎり、菓子パンなどの食物が何もない状態になってしまいました。

 しかし、コンビニ専用の弁当工場、サンドイッチ工場、パン工場で、早朝に納品される商品の製造が終わり、出荷されている時間だったはずです。コンビニに商品が並ぶためには、製造工場で商品を製造し、仕分けセンターに運び、仕分けセンターで店舗ごとに商品を仕分けし、コンビニのお店に配送されます。配送センターでは、店舗からの注文に応じて仕分けされます。

『知らないと危ない! ズルい食品 ヤバい外食』

 ところが、停電してしまったことで、仕分けができず店舗に配送できない状態になってしまったと考えられます。配送センターが停電してしまった時点で、商品はすべて製造工場に返品されてしまいます。

 確かに、停電している状態では、配送センターの温度管理ができず、保管などが難しくなります。しかし、製品のなかには菓子パンなど温度管理の必要がなく、店舗でも室温で販売されている商品があったはずです。

 配送センターで、店ごとに仕分けするデータが消えてしまっていても、停電時や天災時の対応が決まっていれば、一定量をお店に配送することができたはずです。数時間の仕分け時間であれば、センター内の温度が上がらず、弁当なども仕分けができたはずです。

 地震直後の早朝に、コンビニの店頭にパンが並んでいれば、安心された方が多くいたのではないでしょうか。外国人旅行者へのインタビューで、「1日何も食べていない」という声がありました。

 工場に返品されて来た商品は、温度管理がされています。センターまでは温度管理されている配送車で配送し、返品される時も配送車で運ぶため、温度管理がされています。でも工場に返品された商品はコンビニのPBとして商品にコンビニの名前が入っているので、工場で判断して避難所などに持っていくことはできないのです。

 早朝、深夜など、コンビニなどの弁当工場が稼働しています。この時間に地震が起きたら、製造した商品が無駄にならないように、どのように対応するか日常的に打ち合わせをする必要があるでしょう。責任者、コンビニ本部などの判断を待たずに対応することを決めておくべきと考えます。

工場には仕掛品が多数ある

 弁当工場は、停電した時点で製造を再開することは困難です。ライフラインがすぐに復旧しないということがわかった時点で、包装前の焼きたてのパン、炊いたばかりのごはん、揚げただけの唐揚げなど、安全に食べられる包装前の商品が多数あったはずです。

 食品工場も日常的に、地震があって停電した時に、製品、半製品を含めて、どう取り扱ったらいいかを自治体と打ち合わせておくべきです。

 電気が復旧した時点でも、炊飯などはできるがラベル表示ができない、パンはあるが印字できないといったトラブルが発生する可能性があります。「商品に手書きのアレルゲン表示、消費期限表示をメモ書きでも書いて避難所に納品してもいい」「食中毒を起こさない管理を行えばいい」といったシミュレーションを行っていれば、食べるものがないという事態は防げたと思います。

 旅行者は、備蓄食料を持っていません。旅行者にこそ、避難所や、すぐ食べる食料が必要だったはずです。私自身、言葉の通じない土地で地震に遭い、ホテルを追い出され、交通機関が止まっている所に取り残され、スーパーも閉まっているとしたら、途方にくれてしまいます。

 食べられる商品を捨てることなく、必要な方に届けることを他山の石として考えるべきです。
(文=河岸宏和/食品安全教育研究所代表)

食品安全教育研究所
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