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荻原博子「家庭のお金のホントとウソ」

来年の消費増税、見送りの可能性(1)…安倍首相、再び選挙のカードに利用

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安倍晋三首相(写真:AP/アフロ)
「安倍晋三首相が、予定通りに来年10月から消費税率を10%に引き上げる方針を固めた」というニュースが、日本中を駆け巡りました。10月14日に読売新聞が一面で報じ、遅れて15日に各紙が報じました。


 実際に、15日の臨時閣議で安倍首相は消費税を引き上げる方針を示し、自ら「あらゆる施策を総動員し、全力で対応する」と述べています。これを見て、誰もが「やはり消費税は上がる」と思ったことでしょう。しかし、私は安倍首相は消費税を上げないと思います。以下は、私が「消費税引き上げはない」と思う3つの理由です。

(1)来年は、大きな選挙が2つある
(2)消費税引き上げには、アメリカのドナルド・トランプ大統領が大反対する
(3)反対倍増で、政府の増税対策が裏目に出そう

 この3点が、私が「安倍首相は消費税を上げない」と思う論拠ですが、この理由が妥当かどうかの判断は、読者のみなさんに委ねたいと思います。

2つの選挙で起きた「地方の反乱」


 まず、ひとつ目の「来年は、大きな選挙がある」から見てみましょう。

 2019年には、4月に統一地方選挙、7月に参議院議員選挙という、2つの大きな選挙があります。国政選挙では負け知らずの安倍政権ですが、ここにきて地方に弱い状況が露呈しています。

 9月に行われた自民党総裁選挙は安倍首相vs.石破茂氏の一騎打ちとなり、当初は安倍首相の圧勝と見られていました。しかし、蓋を開けてみると、山形、茨城、群馬、富山、三重、島根、鳥取、徳島、高知、宮崎の10県で石破氏が安倍首相の得票数を上回り、地方票の45%を獲得する結果になりました。

 さらに、選挙中に斎藤健農林水産大臣(当時)が「石破さんを応援するんだったら辞表を書いてからやれ」と圧力をかけられたと発言。安倍陣営が全力で締め付けをしているにもかかわらず、こうした結果が出たことで、「地方の安倍離れが鮮明になった」という印象を内外に与えました。

 続く沖縄県知事選挙では、名護市辺野古新基地建設反対を貫いた翁長雄志前知事の遺志を継ぐ玉城デニー氏が大勝。安倍政権は、ヒト・モノ・カネを注ぎ込み、菅義偉官房長官をはじめ、人気者の小泉進次郎議員に至っては3度も沖縄入りさせたにもかかわらず、大差で敗れました。

 さらに、10月14日の豊見城市長選挙では、同様に翁長氏の遺志を継ぐ「オール沖縄」で新人の山川仁・前豊見城市議会議員が、自民党、日本維新の会、希望の党が推した前市長を大差で破って市長の座を獲得。那覇、南城、豊見城と、玉城県政を支える勢力が拡大しています。

 こうした選挙を通して、安倍首相も、地方では今までの選挙のように、ヒト・モノ・カネ・圧力の4点セットが効かなくなっていることを痛感しているのではないでしょうか。そうなると、来年の選挙に勝つためには“サプライズ”が必要ということになります。

消費税に関与した首相は選挙で大敗の歴史


 安倍首相が来年の選挙で繰り出すサプライズは、「消費税の先送りカード」しかありません。なぜかという説明の前に、これまでの経緯を見てみましょう。実は、消費税に関与した歴代の首相は選挙で惨敗する運命をたどっています。

 1979年1月、大蔵省(現・財務省)出身の大平正芳首相は消費税導入を閣議決定し、同年の衆議院議員選挙では自民党が過半数割れに陥っています。89年4月に3%の消費税を導入した竹下登首相は、大蔵大臣(現・財務大臣)を兼務していたことなどから消費税導入に積極的でしたが、リクルート事件で内閣総辞職に追い込まれ、その後の参院選では大敗しました。その後、97年4月に消費税を3%から5%に引き上げたのが、橋本龍太郎首相です。しかし、翌98年の参院選で大敗し、それを受けて首相を辞任しています。

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