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杉江弘「機長の目」

航空機のパイロットやCA、がんを発症する人が多い? 多量の放射線を被曝

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「Gettyimages」より

 飛行中の航空機内では、地上にいるときよりもはるかに多量の宇宙線(放射線)を被曝する。被曝量はコックピットにいるパイロットも客室内の乗客も等しく受けている。

 その理由は、航空機の外壁には宇宙線を遮断する材質が使われていないためだ。技術的には鉛を使った材質にすればいいのだが、それでは機材が重くなり搭乗数にも影響が生じ、ひいては運賃にも跳ね返ってくるので、どのメーカーも対応していないのが実情だ。

航空機内で浴びる宇宙線とは


 宇宙線とは宇宙空間を飛び交っている放射線のことで、一次宇宙線と二次宇宙線とに分けられる。

 一次宇宙線は宇宙空間に直接飛び交っている放射線で、太陽フレアや超新星の爆発によって引き起こされる。そして、二次宇宙線は一次宇宙線が地球に降り注ぎ大気を構成する元素の原子核と衝突して発生する放射線のことで、私たちがレントゲンをとるときに浴びるガンマ線や、東海村のウラン加工会社JCO臨界事故で作業員が浴びた中性子線といったものが含まれる。

 宇宙から飛来する一次宇宙線は、大気上層の窒素や酸素などの原子核と衝突することによって消滅し、直接地上に降り注ぐことはなく、民間航空機が飛行する高度1万2000メートル程度の上空にもほとんど存在しない。

 一方、大気上層で発生した二次宇宙線は、大気による吸収が少ない分、上空ほどその量は多く、地表に近づくにつれて減少するものの、一部は地表にまで到達する。つまり、二次宇宙線は私たちが暮らす地上にも存在し、そして、高度が上がれば上がるほどその量が増えていくことになる。

 また、宇宙から地球に降り注ぐ一次宇宙線が地磁気の影響で北極と南極に集中することから、二次宇宙線の量は、たとえば高度が同じ場合、緯度が高くなる(磁極に近づく)ほど多くなる。結局、私たちが飛行中に浴びる宇宙線とは、宇宙から飛来する一次宇宙線が大気と衝突することによって発生する二次宇宙線という放射線であり、その量は高度が高いほど、また、緯度が高いほど多いということになる。

被曝量とがん発生との関係


 乗務員の被曝について、日本では過去、日本航空のニューヨーク便などで実際に測定したところ、往復(26時間)のフライトで被曝量は約92マイクロシーベルトであった。これらのデータを基に、文部科学省が事務局を務める放射線安全規制検討会は2004年6月23日、「飛行時間900時間で6ミリシーベルトの被曝」「同200時間で1ミリシーベルト」という発表を行った。

航空機のパイロットやCA、がんを発症する人が多い? 多量の放射線を被曝のページです。ビジネスジャーナルは、連載、がんパイロット宇宙線の最新ニュースをビジネスパーソン向けにいち早くお届けします。ビジネスの本音に迫るならビジネスジャーナルへ!

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