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大阪知事・市長選、維新が圧勝の勢い…入れ替え出馬は“脱法”選挙、延々と権力牛耳り

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柳本顕候補

 大阪市港区の八幡屋商店街。港湾労働者などに愛された老舗商店街だ。街宣車から降り立った柳本顕(45)は「都構想をバージョンアップするなんてデタラメですよ。そんなことに大金をかけるならもっとすべきことがある」などと訴えた。

 京大法学部卒。関西電力に勤めた後、大阪・自民党の重鎮議員だった叔父・卓治(衆院6期、参院1期)の影響で政界入り。元自民党大阪市議会団長を務めた「大阪自民のエース」だ。「都構想反対」を掲げて前回の市長選に出馬したが、橋下徹市長の後釜である大阪維新の会候補、吉村洋文(43)に大敗した。今回、知事から市長に入れ替わり出馬した維新代表の松井一郎(55)と一騎打ちだ。「退路を断った」の言葉通り背水の陣。本来、柳本は今夏の参院に出馬する予定だった。

大阪維新の会代表の松井一郎候補(写真左)と大阪維新の会吉村洋文候補(写真右)

出遅れ取り戻せない自民


 一方の知事選。吉村にぶつける自民推薦候補は、小西禎一元副知事(64)だ。東大出身の大阪府幹部。府庁時代の最後は、府知事だった橋下氏の片腕として支えたが、都構想については意見を違えてきたという。橋下は「めっちゃくちゃ優秀な人ですよ。評論ばかりの学者やコメンテーターばかりのなか、自ら受けて立つのは立派」と妙に称える。

「維新の暴挙にノーと言い、都構想を終わりにしましょう」と走り回る小西だが、いかんせん、地味すぎる印象だ。自民は当初、京大卒のインテリ俳優、辰巳琢朗に二階俊博幹事長が三顧の礼で出馬要請したが固辞された。そもそもブログなどで都構想に賛成する彼に要請するのがおかしいが、断られた日に小西氏の擁立を発表している。維新の奇襲でそれほどに時間がなかった。 

 背水の陣の2人の自民推薦候補を公明、立憲民主、国民民主、そして共産党までが支持する。共産党は前回も「維新包囲網」で大同団結した。当時、共産党大阪府委員会のビルに松井知事の対抗馬だった自民公認の女性候補のポスターが貼ってあり驚いたものだ。今回も共産党は独自候補を立てず支援に回る。

 だが、公明党の西徳人大阪市議は「前回、共産党が動員をかけたり、あまりに前面に出たため、逆にうち(公明)の支持者とか、自民さんの支持者が反発して維新に入れてしまったりした」と打ち明ける。共産党委員会に寄ってみたが前回のような光景はなく、角井勇樹事務局長は「あくまで自主投票ですから」と濁した。

「空白の一日」を想起する脱法行為


「維新八策」ならぬ維新奇策の入れ替わり出馬。違法でなくとも限りなく脱法行為だ。かつて、法政大の江川卓投手がごねて巨人軍入りした際に悪用された、野球協約の「空白の一日」を想起する。辞職の大義について吉村と松井は「都構想の住民投票実施時期について公明党が密約を破った」を盛んに強調してみせたが、住民のあずかり知ったことではない。公明党は、重鎮の選挙区に維新が候補を立てない見返りに「住民投票は認める」とすり寄っていた。

 戦後、自治体首長が任期切れ直前に故意に辞職し、ライバルの態勢が立たないうちに出直し選挙で当選してそこから任期を4年得るケースが相次ぎ、公選法はこのようなときは当選しても任期は、辞職時点で残されていた任期分だけというかたちに改正された。今回の入れ替わり選挙は、この法律の趣旨を反故にできる。

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