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韓国社会、麻薬汚染が急激な広まり…財界や主婦も、アプリ等での秘匿性高い取引が助長

文=高月靖/ジャーナリスト
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韓国社会、麻薬汚染が急激な広まり…財界や主婦も、アプリ等での秘匿性高い取引が助長の画像1薬物を使用した容疑で逮捕された大手乳業会社・南陽乳業創業者の孫、ファン・ハナ容疑者(写真:YONHAP NEWS/アフロ)

薬物で破滅した財閥令嬢と人気スター

 財閥創業者3世の令嬢と、人気男性スターのロマンス――。本来なら誰もがうらやむカップルとなるはずが、最悪の展開を見せているのが韓国・南陽乳業3世のファン・ハナ(31)と男性グループJYJのメンバーだったパク・ユチョン(32)だ。

 2017年4月に婚約が報じられた2人は、18年5月に破局を発表。その後、ファン・ハナは今年4月4日、パク・ユチョンは同月26日、それぞれ麻薬を使用した疑いで逮捕された。別れたはずの2人は今年2~3月、5回にわたってともに覚せい剤を投与した疑いが持たれている。ファン・ハナの供述から捕まったパク・ユチョンは所属事務所に見捨てられ、芸能界引退は不可避とも囁かれる有様。2人は今、薬物使用をそれぞれ相手のせいにする供述をしており、今後の裁判でも泥仕合が繰り広げられるのは必至だ。

相次ぐ財界と芸能界の薬物スキャンダル

 
 このところ財界と芸能界の薬物スキャンダルが、韓国メディアを大きく騒がしている。ファン・ハナ逮捕の3日前には、大手財閥SKグループの創業者3世が液状大麻を使用した疑いで逮捕された。同日にはまた海外に滞在中だった現代グループ創業者3世が同様の容疑で立件され、同月23日に逮捕されている。

 一方、芸能界では、人気アイドルらによる売春斡旋、横領、わいせつ動画撮影・共有疑惑などが噴出している「V.Iゲート」事件で、薬物問題も浮上。芸能人の摘発はなかったが、事件の舞台となったソウル・江南地区一帯のクラブでは、これまでに80人近くが麻薬に絡んで立件された。また4月8日には韓国で活動するアメリカ出身の弁護士タレント、ロバート・ハリーが薬物使用で逮捕されている。

 一連の報道を見ると今年に入ってVIPの薬物事件が急増したような印象だが、韓国の薬物汚染はそんなレベルにとどまらない。数年にわたって社会に広く浸透した薬物が、警察の集中的な取り締まりでようやく明るみに出始めた――というのが実態だ。

「麻薬との戦争」を宣言した韓国警察

 
 韓国では2000年をはさんで薬物の摘発者数が年間1万人を超えた後、02年から集中的な取り締まりを実施。その甲斐あって7000人程度にまで抑えられ、「薬物にクリーンな国」を自称するようになった。

 だが韓国警察は今年2月25日、3カ月に及ぶ「麻薬との戦争」を宣言。5月中旬までに2000人以上を検挙、669人を逮捕したという。

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