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背景には、ここ数年で薬物が急速な浸透を見せている事情がある。韓国関税庁による麻薬関連の摘発件数と押収量は、14年の339件71.6kgに対して18年は660件426kg。また最高検察庁によると韓国国内で警察が押収した薬物の量は、14年の162.2kgに対して18年は517.2kg。摘発者数は11年の9174人に対して、16年には1万4214人に増えている。18年には1万2613人に減ったものの、現地メディアではむしろ摘発逃れが増えた可能性が指摘されている状況だ。
流通量の急増にともない、薬物のカジュアル化も進んでいる。摘発者に占める女性の比率は、14年の13.8%から18年には21.6%に拡大。また20代の比率も12年の8.3%に対し、16年には13%を超えたという。これまで30代超の男性を主な市場としていた薬物が、主婦や学生などを含むより幅広い層に浸透しているわけだ。
麻薬密輸の中継地となった韓国
薬物が海外から大量に流入するようになった韓国。その多くは韓国を中継地として、第三国へ運ばれていくという。
18年12月には釜山港の税関で、64kgものコカインが摘発された。韓国での末端価格は、1900億ウォン(約175億円)。積荷はエクアドルを出発してメキシコ、韓国を経由し、中国へ向かう予定だった。
同年10月にはまた、覚せい剤112kgがタイから釜山港を経由してソウルへ持ち込まれていたことも判明。末端価格は3700億ウォン(約341億円)だ。この覚せい剤は台湾の組織が韓国へ輸入し、分散して保管した後に日本などへ輸出される手はずだったらしい。
韓国が国際的な麻薬密輸の中継地とされるようになったのは、「薬物にクリーンな国」というかつての評判のせいともいわれる。各国の捜査機関から睨まれている東南アジア、中国、台湾などより、クリーンな韓国のほうが目をつけられにくいだろうという判断だ。また万一摘発を受けても、韓国はそうした国・地域より量刑が軽いという点も大きい。
持ち込まれた薬物の一部が韓国国内で流通する場合も、当然ある。この間安定した経済成長でインフレが続いてきた韓国は、薬物の末端価格も世界トップクラスだという。
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