世界的なサブカルチャーの発信地として注目される秋葉原。さらに従来からの電気街として店舗も軒を連ね、東京でも有数の観光・商業地となっている。平日、休日を問わず、祭りのような活気を感じられる街だ。
その玄関口となっているのが、JRの秋葉原駅だ。秋葉原駅では山手線のほか、京浜東北線、中央・総武線(各駅停車)が発着、さらに東京メトロ日比谷線、つくばエクスプレスに乗り換えることもできる。
JR東日本の2017年度統計では秋葉原駅の一日平均乗車人員は25万251人。JR東日本管内では大宮駅に次いで9位。その内訳は、定期外利用者が13万4878人と多いが、定期利用者も11万5372人と拮抗、通勤・通学利用者も多いことがわかる。なお、東京メトロ日比谷線は6万2312人、つくばエクスプレスは6万6070人(共に『東京都統計年鑑』平成29年による)となっている。
ちなみに秋葉原駅の利用は以前からこれほど多かったわけではなく、21世紀に入ったころはJR東日本だけで10万人台で、順位も17~19位あたりを前後していた。つくばエクスプレスが開業した05年から急成長している。ちょうどこの頃、電気街の統廃合による再開発が進み、より大衆向けに変貌してきたのだ。
動線の複雑な駅
秋葉原駅は、国鉄時代より構内が複雑でわかりにくい駅の代表格でもあった。ひとつは、発着する3つの路線が並んでいるのではなく、山手線、京浜東北線の上を中央・総武線(各駅停車)が直角に交差する形となっていることによる。さらに下側の山手線、京浜東北線にしても道路と立体交差させるために高架線となり、高架線同士の立体交差、合わせて3層構造となっているのである。
また、ホームは山手線と京浜東北線が方向別に共用する島式2本。上層の中央・総武線(各駅停車)は対向式となり、これら4本のホームを交互に結ばねばならないという点にも設置の難しさがあった。
かくして利用者によっては動線の複雑な駅となってしまったのである。
基本構造は、現在の中央・総武線(各駅停車)ホームが使用されるようになった1932(昭和7)年にできあがっているが、当時としても例を見ない構造だった。特に地上から中央・総武線(各駅停車)ホームまでは高低差が大きい。そのため、乗客の利便性を図るため、当初からエスカレーターを設置している。これは国鉄初と記録されているが、当時としては非常に珍しいものだったに違いない。