連日、ニュースやワイドショーで取り上げてられている内閣総理大臣主催の「桜を見る会」。多額の公費を投入した公式行事にもかかわらず、安倍晋三首相の後援会関係者約850人が招かれていた事実が発覚し、来年度の開催は中止になった。安倍首相が前日に地元支援者を招いて開いた夕食会の会費と実費が乖離しているとの疑惑もある。さらに、内閣府が今年の招待名簿を早々に破棄したことも批判を浴びている。その後、出席者はTwitterやFacebookなどのSNSに投稿した画像を一斉に消去した。名簿に載っていてはいけない名前でもあったのだろうか。
写真に写りこむ反社会勢力
インターネット上などでは、この問題がメディアに取り上げられ始めた頃から、出席者のSNSの洗い出しが始まった。その結果、芸能人や起業家などのアカウントがまとめサイトなどでさらされ、炎上し、各自削除対応に追われている。いずれも、どのような基準で招待客を招いていたのかを政府が明確に公表していないことが原因だ。
菅義偉官房長官は13日の会見で、「さまざまな意見があることを踏まえ、政府として招待基準の明確化や、招待プロセスの透明化を検討したい。予算や招待人数も含めて、全般的な見直しを幅広く意見を聞きながら行うこととし、来年度の桜を見る会は中止をすることにした」と釈明した。つまり、「招待プロセスを透明化しなければならない」ほど「不透明な招待」が行われていたということだ。
東京都内の飲食店業界関係者が明かす。
「拡散されている写真に西日本の半グレ界でかなり有名な人たちが複数写っていて、びっくりしましたよ。すでにチームを解散していますし、今はカタギですが、数年前はそれなりに業界で顔を知られていました。最盛期には、あの関東連合とも付き合いがあったそうですしね。
一般的にナイトビジネスをしていれば“その筋の人間”とニアミスすることはあります。まったく関わりのない事業者は少ないでしょう。だから、『反社と会ったことがある』『飲んだことがある』くらいの人間がいても驚きません。でも、ガチでその筋の人間が総理大臣主催の観桜会にいるなんてちょっと考えられませんよ。なんの功績で、どんな業界の代表として呼ばれたんでしょう。まさか極道の代表とかいいませんよね」
今年の招待客は約1万8000人。出席者全員の「身体検査」を短期間で行うには少々難しい数字ではある。招待客の選定は内閣官房と内閣府が各省庁に推薦依頼を行い、取りまとめを行っていたという。そもそも政府は、暴力団対策法で厳しく反社会勢力と市民社会の接触を戒めている。にもかかわらず、公費を使った催しに反社会勢力の人物を招待してしまうのはいかがなものなのか。