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藤井泰輔「あなたの生活をサポートするお金のはなし」

生命保険料は家計で月5千円で十分…「まず商品選び」はNG、意外に手厚い社会保険を確認

文=藤井泰輔/ファイナンシャルアソシエイツ代表
生命保険料は家計で月5千円で十分…「まず商品選び」はNG、意外に手厚い社会保険を確認の画像1
「Getty Images」より

世帯あたり年間38万円は、貯蓄性商品を含めての金額

 生命保険文化センターが出している「平成30年度生命保険に関する全国実態調査」によると、世帯あたりの保険料負担は年38.2万円という数字になっています。月あたり3万円強の支出です。

 しかし、こんな金額をもとに生命保険の支出を捉えていては、家計は一向に楽になりません。どんな数字もそうですが、平均の数字は、あなたの家計には関係ないものと考えたほうがよさそうです。

 独身で年間5万円の保険料を支払っている家庭と、家族5人で年間70万円の家庭では、その平均は年間37.5万円ですが、この数字は、どちらの家庭の実態も反映していませんし、ほかのどの家庭にとっても参考にはならないのです。

 ちなみに、先の生命保険文化センターが出している世帯あたり38.2万円という数字は、世帯主年齢の平均が59.8歳、同居家族が3人、世帯年収が平均604万円をもとにした数字で、若い世代の実態を反映したものではありません。実際に、全世帯で一番比率が多いのは、年間保険料12万円~24万円の世帯ですし、それらの金額の多くは、かつて加入した終身保険、養老保険、学資保険や年金保険などの貯蓄性があるといわれた頃の商品が占めています。

 つまり、これから新たに生命保険という商品の購入を考える人、もしくは、すでに契約があるものの見直しを考えようとする人たちにとって、生命保険料としての家計支出は、もっとずっと小さな金額をもとに考えるべきだということです。私は、その金額は月5000円が一つの目安と考えています。

まずは、必要な保障の優先順位を決める

 すでにお話ししてきたように、生命保険には、死亡保障、医療保障、がんなどの三大疾病の保障、働けなくなったときの保障、介護の保障など多くの分野に及び、保険会社が販売している商品の数は、数千にもなるといわれています。そのなかで、自分や自分の家族に本当に必要な保障は何かを見極めることが、まずはあなたが行うべき作業です。決して、商品の検討から入ってはいけません。

 保険とは、不測の事態が起こったときに、自分の手持ちの資金ではその対応が難しいときに活用する商品です。そういう意味では、家計を収入面で支えている人が、突然亡くなってしまうという事態には、ある程度生命保険での備えが必要な気がします。その次には、病気やけがで長期に働けなくなってしまう事態などが考えられるでしょう。

藤井泰輔/ファイナンシャル・アソシエイツ代表

藤井泰輔/ファイナンシャル・アソシエイツ代表

株式会社ファイナンシャルアソシエイツ代表取締役。生保協会認定FP、DCプランナー、宅地建物取引士。一橋大学商学部卒業後、三井物産、生命保険会社勤務を経て、2000年に総合保険代理店、株式会社ファイナンシャルアソシエイツを設立。法人、個人ともに、常に買う側の立場に立った保険提案で顧客の信頼を集めている。機会あるごとに保険をテーマとしたセミナーの講師を務め、さらに新聞、雑誌などへの寄稿を通して、正しい保険の活用法を説いている。主な著書に、『あなたの「生命保険」払いすぎ!』(かんき出版)、『中小企業のための保険加入完全ガイド』(プレジデント社)、『安心セカンドライフのためのマネー・プラン』(日本評論社)がある。

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