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“ノストラダムスの大予言”ブームも後押し…「和製パニック映画」が全盛だった70年代の名作たち

文・構成=ミドルエッジ
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※参考画像:『【東宝特撮Blu-rayセレクション】 日本沈没』東宝(amazonより)

 あなたにとって「懐かしい」とはどんな情景でしょうか? 1970~90年代の「懐かしい」を集めたのが「ミドルエッジ」。あなたの記憶をくすぐる「懐かしい」から厳選した記事をお届けします。

 今回のテーマは、「70年代の和製パニック映画」。オイルショックなどで社会不安が高まり、また、「ノストラダムスの大予言」で日本中に終末ブームが広がる中、量産された和製パニック映画の名作を振り返っていきます。

「ノストラダムスの大予言」による“終末ブーム”

 1970年代といえば、高度経済成長がひと段落し、安定成長期に突入したあたり。その高度成長期の副作用として日本各地で公害問題が顕在化し、また、第4次中東戦争を発端として「オイルショック」が起こるなど、社会不安が増大した時期でもありました。

 そして、1973年、五島勉の著書『ノストラダムスの大予言』(祥伝社刊)が発売されます。漠然とした不安感に包まれた日本において、「1999年7の月に恐怖の大王がやって来る」という明確な予言は関心を集め、250万部を超える大ベストセラーに。これによって終末思想がブームになりました。

和製パニック映画ブームの火付け役『日本沈没』

 時を同じくして1973年、SF作家・小松左京の著書『日本沈没』(光文社刊)もベストセラーに。同作では、地殻変動によって日本列島が沈没の危機にさらされます。その際に、日本国家および国民がどのように行動するかをリアルに描いたSF大作でした。また、戦後目覚ましい発展を遂げ、大国の仲間入りを果たしていた日本。そんな最中、大地震によって起こり得る現実を突きつけた予言の書でもあった同作。

 本作は、同年の年末に小林桂樹、藤岡弘、(当時は「藤岡弘」)といった人気俳優を数多く起用した映画版も公開。東宝による配給で、650万人を動員。配給収入は16億円を突破しています。さらに翌74年の邦画部門配給収入ランキングで1位を獲得するなど、大ヒットを記録しました。ちなみに、この映画『日本沈没』のヒットを受けて、『ノストラダムスの大予言』も東宝により映画化されています。

1975年には『新幹線大爆破』『東京湾炎上』が公開

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※参考画像:『東京湾炎上 [東宝DVD名作セレクション]』東宝(amazonより)

 1975年に公開された『新幹線大爆破』も、70年代を代表する和製パニック映画のひとつ。舞台は、巨額の身代金を狙う犯人グループによって爆弾が仕掛けられた新幹線車内。「新幹線が走行速度80km/hを下回ると爆発する」という極限状態のなか、集団ヒステリーを起こす乗客と、犯人と国鉄・警察サイドの攻防が描かれています。犯人の犯行動機が高度経済成長期への批判にもなっており、社会派作品としての側面も。それにしても、今だったらJRからクレームが来そうなタイトルですが、当時の国鉄は寛容なものです。

 また、タイトルだけで何が起こるか、一目瞭然なのがこの時期の和製パニックムービーの特徴。同75年に公開された『東京湾炎上』も、名前の通りに東京湾が炎上する映画です。シージャックされたマンモスタンカー・アラビアンライト号を舞台に繰り広げられる、犯人グループと乗組員・日本政府の戦いが展開された同作。キャストは、丹波哲郎、藤岡弘、、宍戸錠、水谷豊など。

 ちなみに丹波哲郎は、同作だけでなく、『日本沈没』『ノストラダムスの大予言』『新幹線大爆破』にも出演しており、70年代和製パニック映画の顔だったといえるでしょう。

 この連載では次回以降も皆さまの脳裏に「懐かしい」が蘇りそうな記事を提供して参ります。「こんな記事は?」「あのネタは?」なんてお声も、ぜひお待ちしておりますので、よろしくお願いいたします。

(文・構成=ミドルエッジ)


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