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神戸山口組の重鎮組長が突如引退、組解散…六代目山口組からの圧力か、カムフラージュか

文=沖田臥竜/作家
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神戸山口組の納会が行われた二代目西脇組本部

 12月11日に六代目山口組が、例年より2日早く納会を開催させたのち、必然的に注目が集まったのが神戸山口組の納会の動向である。

 ここに来て、続けざまに神戸山口組幹部たちへの襲撃事件が勃発、さらに同組・古川恵一幹部が射殺され、中核組織である五代目山健組・中田浩司組長が殺人未遂容疑で逮捕されたように、神戸山口組を取り巻く状況は順風とはいえなかったのだ。そうした背景からも、業界関係者の間では「今年は、納会を中止するのではないか」とする声もあった神戸山口組だが、例年通り、12月13日に二次団体である二代目西脇組本部で納会を開催したのだ。

 「六代目山口組サイドからの猛攻。当局からの弾圧。神戸山口組は大きく揺れ動いている印象が強かった。だからこそ、そうしたイメージを払拭するためにも納会を開催して、世間に対しても存在感を示す必要があったのではないか」(業界関係者)

 それを裏付けるかのように、二代目西脇組本部前には、いつもに増してマスコミ関係者や警戒にあたる捜査員が多く詰めかけた。そして、続々と納会に結集する直系組長たち。神戸山口組の健在ぶりを知らしめるには、十分であったのではないだろうか。

 ところが、開催前にある異変が生じ、後に業界内で波紋を呼ぶ事態が発生するのである。

 その事態とは、同組で舎弟頭補佐を務める太田興業・太田守正組長が、二代目西脇組本部に入ったかと思えば、神戸山口組・井上邦雄組長の到着を待たずに、同本部を後にしたのだ。

 太田興業といえば、五代目山口組時代にいち早く東京へと進出。全盛期には組員数800人を超えるといわれた組織だ。太田組長はその後、一度は引退するも、神戸山口組の発足に合わせて現役復帰するなど、同組織の中でも重鎮と呼べる存在であった。

 そんな太田組長の退出に、ざわつく報道陣。もしかすると、前日に六代目山口組サイドから漏れ伝わってきた噂は事実であったのかと色めき立ち始めたのだ。その噂とは、太田組長が引退、そして太田興業が解散するというものであった。

特定抗争指定されると命の危険が増す !?

 事実はどうだったのか。各方面の情報から判断すると、太田組長は、二代目西脇組本部を後にすると、その日のうちに大阪府警へと出向き、自身の引退と太田興業の解散届を提出したようである。さらに、そのタイミングと合わせるかのように、六代目山口組から通達が出されたのだった。その内容を要約すると、太田興業は解散し、太田組長は引退したので、彼らには手出しをしてはならないというものであった。業界関係者の間で数々の疑問が渦巻く中、ある業界関係者はこのように話した。

 「タイミングから見ても、六代目山口組サイドから、今なら身の安全を保障するので引退せよと迫られたと見るのが妥当ではないか。そもそも六代目山口組サイドには、自分たちが特定抗争指定暴力団に指定されても構わない。むしろ、そのほうが分裂騒動を終焉させられるという考えがあるのではないかという話があった。そのために、最近は神戸山口組サイドへの攻撃を活発化させ、結果、六代目山口組と神戸山口組の両組織が特定抗争指定暴力団に指定されることがほぼ確実になった。このことが、結果として神戸山口組サイドへ無言の圧力を与えることになっている。その圧力とは、特定抗争指定暴力団に指定されると、組員が5人以上集まることができないなどの規制を受けることになるので、必然的に親分衆の護衛が手薄になるというもの。六代目山口組サイドには、暴力をいつ行使してもおかしくないイメージがすでに出来上がっており、身辺に危機感を抱く神戸山口組関係者も少なくないはず。そうしたものが、今回の太田興業の解散、六代目山口組サイドからの通達に繋がっているのではないか」

 だが、一方で、別の見方をするヤクザ事情に詳しいジャーナリストもいる。

 「特定抗争指定暴力団に指定されると、当局の規制や監視も厳しくなり、今までのように活動はできません。そのため、動きやすいように、地下に潜る必要が生じている出てきているはずです。太田興業の解散、太田組長の引退も、規制逃れのカモフラージュという可能性があるのではないでしょうか」

 さまざまな憶測を呼ぶ太田組長の引退と、太田興業の解散。ちょうど1年前、太田興業の年末の会合の様子を写した動画がSNSで拡散され、組織としての意気軒昂ぶりを知らしめた。それから1年後、このようになることを誰が想像することができただろうか。

 太田組長はその後、神戸山口組からなんらかの処分を受けたという扱いになったようだ。

(文=沖田臥竜/作家)

沖田臥竜/作家

沖田臥竜/作家

作家。2014年、アウトローだった自らの経験をもとに物書きとして活動を始め、小説やノンフィクションなど多数の作品を発表。小説『ムショぼけ』(小学館)や小説『インフォーマ』(サイゾー文芸部)はドラマ化もされ話題に。最新刊は『インフォーマ2 ヒット・アンド・アウェイ』(同)。調査やコンサルティングを行う企業の経営者の顔を持つ。

Twitter:@pinlkiai

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