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神戸山口組が六代目山口組へ報復開始か…「不易流行」「敢為邁往」を掲げ、団結力を高める

文=沖田臥竜/作家
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激震に見舞われた山健組の来年の組指針

 12月13日の神戸山口組の納会開催直前に同組織の二次団体・太田興業が解散することを決定。その激震が覚めやまない中で、神戸山口組は予定通り納会を開催してみせた。

 そこで発表された、神戸山口組の令和2年度の組指針は「不易流行」。意味するところは、いつまでも変化しない本質的なものを忘れないなかにも、新しい変化を重ねているものを取り入れていくこと……とのことだが、現在のヤクザ業界を取り巻く環境に見合った指針といえるのではないだろうか。

 一方で、ここのところ沈黙を守り続けていた任侠山口組も、12月13日、同組執行部が秘密裏ともいえる会合を奈良県内で開催、組指針を発表させている。

 「任侠山口組は、早い段階で納会も事始め式もやらない方針だと見られていた。同組若頭の池田幸治組長(四代目真鍋組組長)が12月下旬に出所してくる。それまでは、沈黙を守り続けるのではないかと。だが、同組最高幹部らが奈良県内で会合を開いたのに続き、年内にブロック会議を開催するという話だ」(捜査関係者)

  そこで発表された組指針は、「残心侠道」。心途切れることなく、任侠道を歩んでいこう……といった意味合いが含まれているという。

  そして、その翌日は、神戸山口組の中核組織である五代目山健組が神戸市内の関連事務所で会合を開催した。

 「12月3日に中田浩司組長が逮捕され、現在、トップ不在となった山健組ですが、組長が帰ってくるまで組を守るべく団結力を高めているようです。確かに最近の神戸山口組は、立て続けに幹部が襲撃されたり、古川幹部が射殺されたりしたので、劣勢なイメージがあるかもしれません。それでも天下の山健組。威勢は衰えてはいないと聞きます。そんな山健組の来年の組指針は『敢為邁往(かんいまいおう)』。目的に向かって困難をものともせず自ら思い切って、まっしぐらに進んでいくという意味とのことです」(ジャーナリスト)

  確かに、山健組は以前からの勢力を保持したまま現在も存在している。そして神戸山口組としても、六代目山口組サイドに対して、このまま報復をしないのかというと、決してそうではないと思える事件も、起きようとしていたと関係者は話す。

 それは、つい先日のこと。神戸山口組傘下の四代目大門会本部事務所に、熊本県警が殺人予備の疑いで家宅捜索に入ったという噂が浮上したのだ。四代目大門会といえば、11月18日に清崎達也会長が、工事作業員を装った六代目山口組傘下である二代目伊豆組系組員らに刃物で切りつけられるという事件が起きたばかりだった。

  「この事件後、県警では四代目大門会が報復に動かないかと警戒にあたっていたのではないかという話です。その警戒中に110番通報があり、軽トラックか何かで小型バイクを運ぼうとした大門会の関係者が、県警に逮捕されたのではないかというのです。それが報復のための準備だったという疑いが出てきたため、殺人予備容疑で家宅捜索したのではないかと噂になっていました」(地元紙記者)

 その後、清崎会長は、12月13日に二代目西脇組本部事務所で行われた納会を、体調不良を理由に欠席したといわれており、現に姿を見せてはいない。清崎会長に現在の状況については、さまざまな憶測が流れている状況だ。

 さらに詳細はあらためるが、12月16日には、山健組系組員が六代目山口組系組員を襲撃する事件も起きた。特定抗争指定暴力団への指定を目前にひかえ、六代目山口組と神戸山口組の動きがより活発になり始めている。

(文=沖田臥竜/作家)

沖田臥竜/作家

沖田臥竜/作家

作家。2014年、アウトローだった自らの経験をもとに物書きとして活動を始め、小説やノンフィクションなど多数の作品を発表。小説『ムショぼけ』(小学館)や小説『インフォーマ』(サイゾー文芸部)はドラマ化もされ話題に。最新刊は『インフォーマ2 ヒット・アンド・アウェイ』(同)。調査やコンサルティングを行う企業の経営者の顔を持つ。

Twitter:@pinlkiai

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