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さんきゅう倉田「税務調査の与太話」

副業を確定申告すべき?秘密の副業は税務調査で会社にバレる?…税務調査官、成績アップ狙い無謀な調査

文=さんきゅう倉田/元国税局職員、お笑い芸人
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「Getty Images」より

 元国税局職員、さんきゅう倉田です。好きな大罪は「滞納」です。

 確定申告の季節になりました。所得税を担当する個人課税部門は日の出から終電まで大忙し。一方、法人課税部門は“いつも通りの”税務調査を行っています。確定申告時期にも税務調査は行われますが、税理士の先生にとても嫌がられます。よって、顧問税理士のいない法人に積極的に接触することもあるようです。

 会社を経営して従業員を雇うようになると、さまざまなコストやリスクを抱えるようになります。知り合いの飲食店経営者は、アルバイトや社員に何度も売上を盗まれてしまいましたが、フルタイムで働く人員が確保できないのでクビにもせず雇い続けたそうです。あるいは、暇を持て余した若手芸人を雇って、遅刻、無断欠勤、サボタージュ、怠惰に悩まされることもあります。

 大きな会社でも、営業社員や経理担当者の横領のリスクがあります。なかには、長期間にわたって何億円も横領され、時効が過ぎてしまうような事件もありました。従業員に横領された場合の会計処理はいくつかありますが、損害賠償請求権を計上して回収するなどしているようです。

 技術を売るような仕事であれば、従業員が会社を通さずに取引をすることもあります。現代社会では副業・兼業が推奨されていますが、自社のサービスと同様の副業をすることを禁じている会社は多々あります。自社の売上なのか個人の売上なのかわかりにくく、会社と社員が競合すると互いの利益にならないからです。

 そのため、従業員が勤務先の提供するサービスと同じ仕事をしている情報を掴んで、売上除外を想定して、税務調査を行う場合があります。

社員の副業で会社に税務調査

 あるウェブページ制作の会社に税務調査が入りました。その会社の社長によると、調査が始まって他愛のない話をした後は、ずっと従業員について聞かれたそうです。会社に従業員は一人しかいません。採用して5年になる40代の男性です。制作の半分を社長が、もう半分をその従業員が担っています。

 この会社では副業を禁止しています。理由は特にないけれど、それが普通だと考えて就業規則に記載しています。調査に来た若い男性は、調査の途中で就業規則をコピーしていました。

 あとからわかることですが、従業員の副業の情報を掴んでいたようです。社長には何度も「現金の売上はありますか?」「申告書に記載された銀行口座以外に、売上が入金された口座はありませんか?」と聞いてきました。しかし、決済はすべて振り込みで、口座はひとつしかありません。

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