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残業代やボーナスで稼げなくなった…“コロナ収入減”本格化、長期化を前提に家計見直し

文=深野康彦/ファイナンシャルリサーチ代表、ファイナンシャルプランナー
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「Getty Images」より

 新型コロナウイルスの影響が拡大する前に今期の春闘はまとまったことから、今期の賃上げ率は前年比1.9%増加(連合、6月5日公表、第6回春闘回答集計)となりました。名目上は賃上げとなったかもしれませんが、年間ベースで考えると実質は賃下げになる可能性も否定できません。なぜなら、新型コロナの影響によりすでに収入が減少している人がかなりの数にのぼると考えられるからです。

 緊急事態宣言が出される前からテレワークなどが推奨され、残業代などが減ったことがその背景にあります。記事を書いている時点の最新データは、2020年4月の速報値。厚生労働省の「4月の毎月勤労統計調査」によれば、同月の残業代などの所定外給与は前年同月比で12.2%の減少となったからです。同月の残業などの所定外労働時間は9時間と、18.9%減少しているのです。通常1年でもっとも忙しい年度末の3月ですら、残業時間は前年より減少していました。5月には緊急事態宣言が解除されたものの正常化にはかなりの時間がかかることから、 残業代の減少、ひいては収入減は当面続くと考えるべきでしょう。

 残業時間減少による収入減に追い打ちをかけるように、今夏のボーナスは大幅減が見込まれています。すでに役員を中心にボーナスの返上を公表している企業もありますが、ラーメンチェーンの「幸楽苑」は夏のボーナス支給なし、全日本空輸(ANA)、日本航空(JAL)はボーナス半減が予定されています。4月8日に三菱UFJリサーチ&コンサルティングが発表した夏のボーナスの見通しによれば、事業所規模5人以上のボーナスは一人当たり35万2366円、対前年比で7.6%の減少と予想されています。

 今夏のボーナスの影響がほとんどない、あるいは軽微であった人でも、冬のボーナスには影響が避けられないでしょう。なぜなら、夏のボーナスは前期の実績を反映する割合が多く、かつ新型コロナの影響は2月、3月の2カ月分で済んだからです。一方、今期はスタートから新型コロナの大打撃を受け、緊急事態宣言が解除されてもすぐに正常化、業績はV字回復とは残念ながらいかないでしょう。1年を通せば新型コロナの影響を受ける期間が前期よりも長いことから、冬のボーナスに影響が出る可能性は夏よりも高いかもしれないのです。

 年収に占めるボーナスの割合が高いのは、従業員数が多い大企業です。従業員数が5000人以上ではその割合は約28%(18年民間企業実態統計調査)ですから、企業規模が大きい会社にお勤めの人ほど、ボーナスの増減が家計へ与える打撃は大きくなると考えられるわけです。緊急事態宣言が解除され徐々に日常が戻っていますが、収入減という嵐は時間差で家計に襲来してくるのです。家計の見直しが必須といえるでしょう。

(文=深野康彦/ファイナンシャルリサーチ代表、ファイナンシャルプランナー)

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