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六代目山口組に復帰した二代目木村會は「髙山若頭預かり」に…揺れる神戸山口組

文=山口組問題特別取材班
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使用禁止中の山口組総本部。分裂抗争が終結すれば、再び使用できる可能性が高まるかもしれない

 2005年に、現在の神戸山口組・井上邦雄組長をトップとした四代目山健組体制が発足した時、重職である舎弟頭に就いたのは、武闘派として知られる初代木村會であった。そこから木村會は、山健組で舎弟頭補佐を務めていた大同会と共に、六代目山口組の直系組織へと昇格を果たし、初代木村會会長は瞬く間に六代目山口組幹部に昇進するのだが、間もなくして、病気療養のためにその職を辞任。その後、筆頭若中となって引退し、木村會の勢力は、大同会へと加入することになったのだった。

 そして、2015年に六代目山口組が分裂。これを機に、引退していた親分衆が次々と神戸山口組に復帰を果たすなかで、二代目木村會も大同会を割って出て、神戸山口組に参画。その後、二代目木村會・山本彰彦会長は、神戸山口組執行部の一員にまで昇進していくのだ。

 確かに当初、分裂騒動のイニシアチブを握っていたのは、世間の判官贔屓にも後押しされ、「あの山口組を分裂させた」という話題性も備えていた神戸山口組だったといえるかもしれない。

 だが、六代目山口組サイドは、神戸山口組サイドが仕掛ける、練り歩きなどの派手なデモンストレーションの裏側で、ヤクザのバックボーンである暴力を行使し続けていたのだった。そして、その都度それらの実行犯は、長い懲役を覚悟の上で、六代目山口組サイドの犯行であることを誇示するかのごとく、当局へと出頭して見せたのである。

「なかには無期懲役の判決が下された組員も存在していた。対する神戸山口組サイドは、当局の締め付けを視野に入れ、抗争の激化を避けるかのように、返し(報復)が少なかったように思われる。その弱腰とも取られかねないスタンスが、今に繋がる神戸サイドの衰退を招いたといえるのではないだろうか。ヤクザは義理人情を重んじる集団とはいえ、最後にモノをいうのは、やはり暴力による実力行使、“力”だ。

 そして、六代目山口組の最高指揮官ともいえる髙山清司若頭が昨年10月に復帰。それによって、六代目山口組の士気は目に見えて上がり、神戸山口組サイドに対する過激な事件が多発することになっていった。そのスタンスの違いが、今になって出てきているのではないだろうか」(業界関係者)

 さらに、今月15日に山口県岩国で二代目木村會幹部が六代目山口組系組員から銃撃されるという事件が起こる。しかもその後、二代目木村會は神戸山口組を離脱し、髙山若頭の預かりといった異例ともいえる状態で、六代目山口組に電撃復帰を果たすことになるのである。

「六代目山口組サイドでは、二代目木村會の復帰により、同会を攻撃することを傘下組織に禁じる通達を出したと見られる。ただ木村會内部では、それに異を唱えた勢力も出たようだ。武闘派で鳴らしてきた木村會だけに、攻撃された直後に対峙してきた相手側に復帰することをよしとしない組員たちもいるようで、内部で軋轢が生まれているのではないか。

 また、神戸山口組でも緊急会合を開催し、組織のテコ入れを図る人事を決めたという情報もある」(捜査関係者)

 神戸山口組は、確かに揺れている。だが、こうした事態に対して、新人事で執行部を増員するなどして、組織内を強化する動きを見せているというのだ。

 つまり、六代目山口組が一気に分裂問題を解決させようとする一方で、神戸山口組もそう簡単には幕を下ろすつもりはないと考えているのかもしれない。

山口組問題特別取材班

山口組問題特別取材班

ヤクザ業界をフィールドとする作家、ライターおよび編集者による取材チーム。2015年の山口組分裂騒動以降、同問題の長期的に取材してきた。共著に『相剋 山口組分裂・激動の365日』(サイゾー)がある。

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