
「最後は不動産」といわれるように、ビジネスや株などで稼いだお金の行き着く先は不動産というのが定番です。それは不動産がその他の投資に比べて非常に安定しているという特性があるものだからです。
そんな不動産(投資)ではありますが、不動産投資も投資である以上、リスクが存在します。そのため、リスクを正しく認識し、適切に対応する必要が出てきます。本日は不動産の主なリスクについてご説明します。
なお、「リスク」とは、学術用語的には期待値に対する「確率」を意味する言葉ですが、本稿では、わかりやすさの観点から、多くの方が抱くイメージ、すなわち「リスク=危険、落とし穴、罠」という意味合いで用いますことをご了承ください。
不動産投資に付随する様々なリスク
不動産投資には様々なリスクが存在しますが、それらは下記の通り、天災系リスク、政治的リスク、人災系リスク、マーケットリスク、売買で騙されるリスク等に分けられます。

【天災系リスク】
・地震・火事・台風・洪水等リスク
・シロアリ、害虫等のリスク
【政治的リスク】
・税制変更によるリスク
・政治不安によるリスク(特に海外など)
【マーケットリスク】
・人口減少による空室リスク
・家賃下落リスク
・金利上昇リスク
・為替リスク(海外の場合)
【人災系リスク】
・滞納リスク
・夜逃げリスク
・犯罪に使われるリスク
・自殺のリスク
【売買で騙されるリスク】
・割高で買うリスク
・儲からない(損失が出る)ものを買うリスク
・割安で買いたたかれるリスク
天災系リスクとその対応方法
不動産のリスクと聞いて真っ先に思い浮かぶのが、地震や火事、台風、洪水などの天災系リスクではないでしょうか。日本列島は地震大国であり、台風の通り道でもあるので、毎年のように各地で起きる災害の報道を見ることも多いでしょう。不動産は動かすことができない資産なので、こういった自然災害などの天災に見舞われてしまうとひとたまりもありません。
その天災系リスクを抑えるためには、そもそも天災にあいにくいエリアを選定するということが大切です。地域にもよりますが役所に行くとハザードマップなどが配布されていますので、自分が購入するエリアにどういった災害が起きるのかを事前に調べることができます。台風については統計局のデータから過去の降雨量などを見ることで、どのエリアがより雨が多いかなどの情報を知ることができます。
とはいえ不動産投資では、どうしても災害が発生する可能性があるエリアに投資する必要があるときもあるでしょう。
そんなときに役立つのが火災保険です。火災保険は火事だけでなく台風や洪水、建物に自動車が衝突した際の損壊などに対応していますので、リスクを抑えるためにもそのエリアの特性に合った保険を選択しましょう。エリアの特性とは、具体的には高台の物件であれば洪水の保険は付けないでよいが、海辺の物件には付けるなど、発生する災害に合わせて適宜設定するということです。
注意が必要なのは地震保険です。地震保険の金額は火災保険の半分までと決まっているため、火災保険の金額を安く設定してしまうと、地震で建物が崩壊したときにもらえる保険金額では建物の再建築が難しくなるからです。保険金額を上げると保険料金が上がってしまうため、再建築する金額との兼ね合いで適正な保険金を設定しましょう。
このような天災系リスクは、起こってしまえばどうしようもないのですが、そもそも起きる確率が低く、その多くは保険によりカバーすることができますので必要以上に恐れなくてもよいと考えます。