
お弁当のおかずや手軽なお惣菜として人気の「鶏の唐揚げ」。ここ数年、各地でコンテストが開かれるなどブームが続いており、専門店も続々オープンしている。さらに、すかいらーく、ワタミなどの大手飲食業が参入してチェーン化も加速するなど、空前の「唐揚げ戦国時代」が到来中だ。
専門チェーンの特徴は、唐揚げをメインに定食メニューを揃えていること。そこで、主要チェーンの「唐揚げ定食」を食べ比べて、コストパフォーマンスや総合的な完成度をランキングにしてみた。
第5位 とり多津
エフアンドビー・プロジェクトが関東を中心に14店舗を展開する唐揚げ専門店「とり多津」。奇をてらわないスタンダードなおいしさを追求し、打ち粉も単なる片栗粉を使わずに独自のブレンド粉を使用するなど、こだわりの唐揚げを提供している。
今回食べたのは、最もリーズナブルな690円の「からあげ定食」(唐揚げ3個入り)だ。唐揚げの味は醤油、ニンニク、塩、生姜などから選ぶことができ、ニンニクを選択。
実食すると、予想よりもニンニクの風味が効いていなかった。専門店ということもあり、唐揚げそのもののレベルは高いのだが、「秘伝のタレに8時間漬け込んだ」というキャッチコピーのような劇的なおいしさは感じられなかった。また、同価格帯で唐揚げ4個の店も多いが、とり多津は3個。大きさも普通なので、コスパが良いとは言えない。
ご飯やキャベツ、味噌汁はおかわりができるので、お腹はいっぱいになる。また、付け合わせがポテトサラダというのも特徴的だった。
第4位 から揚げの天才
ワタミグループが展開する「から揚げの天才」は全国に30店舗ほどを構えている。実家が玉子焼き屋さんであるテリー伊藤が監修しており、唐揚げと玉子焼きが看板メニューだ。
その「天才」ぶりを存分に味わうべく、581円の「デカから定食」(唐揚げ3個入り)を注文。味は辛味噌、塩、醤油を組み合わせられるので、それぞれひとつずつオーダーした。
まず目を見張るのは、その名に違わぬ「デカ」っぷり。500円台でこのボリュームはコスパ抜群である。ただ、食べてみると少し皮の部分が多く、パリパリしている肉感が弱い。醤油、塩はスタンダードな味わいで飽きないが、辛味噌は人工的な風味が強く、一段落ちる印象だ。
皿にはマヨネーズが添付されるので、“味変”が可能なのはうれしい。また、唐揚げの下には金網があり、ドレッシングやキャベツの水分と鶏肉が混ざらないようになっているのも高評価だ。価格の安さがあるため、細かい部分は目をつむれるレベルであり、コスパは十分に良いと感じた。
第3位 中津しょうゆ からあげ専門店 鶏笑
海外を含めて200店舗ほど展開する「中津しょうゆ からあげ専門店 鶏笑」は、醤油に生姜、ニンニクなどの薬味を効かせた大分県のご当地名物「中津からあげ」を提供している。テイクアウト専門店が多く、イートイン可能な店舗は都内ではまだ少ない。また、フランチャイズ加盟店の自由度が高いようで、基本的な唐揚げの味は変わらないが、お店によって多少メニューが変わるようだ。