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神戸山口組の大物組長が引退、組織は解散…六代目山口組からの度重なる「警告」が影響か

文=山口組問題特別取材班
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動向が注目される神戸山口組・井上邦雄組長

  やはり六代目山口組サイドによる重圧はかかっているのだろうか。

 先ごろ新人事を発表し、その健在ぶりを知らしめた神戸山口組であったが、同時に業界内ではある大物組長の引退が囁かれていた。その組長とは、神戸山口組で舎弟頭補佐を務める三代目熊本組・藤原健治組長であった。だが、その噂は一度は打ち消されていたと関係者は語る。

 「藤原組長の引退、そして同組長が率いる三代目熊本組の解散という話は事実のようだと周囲からも聞こえてきていた。それに向けて内外の調整が図られていたと述べる関係者もいる。だがいったんは、神戸山口組の首脳陣らの説得により、引退、解散を取りやめたという話だった。ところが結局は藤原組長は引退し、熊本組を解散させたのだ」

 この引退劇の裏側には、六代目山口組サイドからの圧力などが存在したのだろうか。関係者が続ける。

 「熊本組傘下の主力団体といえば、藤原組長が率いていた藤健興業だった。今年3月、その藤健興業事務所が六代目山口組系組織に発砲され、同組織関係者がごぞって六代目山口組系組織へと移籍することになる。主力団体を失うことになった熊本組は組織力を低下させ、その際にも藤原組長が引退するのではないかと囁かれていた。だが、引退しなかった。すると5月末には藤原組長宅が、六代目山口組系組員に銃撃されることになった。これは圧力というよりも、警告といえるのではないか」

 すなわち「引退しなければ、今後も攻撃を加える」という六代目山口組サイドによる警告だったのか。そして事実、今回、藤原組長は引退することになり、熊本組は解散することになった。六代目山口組時代からの直系組長がまたひとり、神戸山口組を去ることになったのだ。

 「六代目山口組サイドはプレッシャーを与え続け、神戸山口組の直系組長をひとりまたひとりと引退させています。それは神戸山口組と近いと考えられていた他団体に対してもそうです。それら組織でも神戸山口組と近かったトップが引退する一方で、六代目山口組サイドとの関係性を山口組分裂前のように戻す動きを見せています。このように神戸山口組の勢力を徐々に削ぎ、最終的には分裂問題を解消させようと考えているのかもしれません」(ヤクザ事情に詳しいジャーナリスト)

 対する神戸山口組はそうした六代目山口組サイドによる発砲事件など対して積極的な報復に出ていない。いや、どちらといえば防戦一方にさえ感じられる。これは「力」を絶対とするヤクザの世界において、組織の衰退化に繋がる要因だといえるのではないだろうか。

 「ヤクザはやられたらやり返すが基本スタイルだ。現に神戸山口組も分裂当初、六代目山口組系による攻撃に対して、報復していた。そうした過程において、神戸山口組がかげりを見せ始めきかっけは、内部からの度重なる離脱だ。理由は定かになっていないが、六代目山口組を相手に第一線で戦ってきた組織が次々に神戸山口組を去っていった。一方、六代目山口組はその間も神戸山口組に対する攻撃を緩めずに着実に勢力を剃り落とし続けた。特に一昨年秋に髙山若頭(六代目山口組・髙山清司若頭)が出所してからは、凄まじい勢いで神戸山口組を攻め続けた。それを受けて、さらに離脱する勢力が増えたのだ」(某組織幹部)

 神戸山口組では、振り返れば、結成当初は先頭に立って神戸山口組の士気を高めた織田絆誠会長(現・絆会会長)に始まり、中核組織だった五代目山健組まで、思いもよらぬ離脱劇が起こってきた。もはや多くの業界関係者が「ここから神戸山口組が巻き返すことは不可能ではないか」と口にしている状況だ。そうした中で、彼らが次に口にするのが「オリンピック後に何らかの動きがあるのではないか」ということだ。分裂から丸6年を迎え、いよいよ分裂問題が解消される時がくるのだろうか。

山口組問題特別取材班

山口組問題特別取材班

ヤクザ業界をフィールドとする作家、ライターおよび編集者による取材チーム。2015年の山口組分裂騒動以降、同問題の長期的に取材してきた。共著に『相剋 山口組分裂・激動の365日』(サイゾー)がある。

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