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西山美紀「貯蓄スキルの高め方」

「お金で困った!」を防ぐための4つの鉄則…安心できる貯蓄額の目安は?

文=西山美紀/マネーコラムニスト
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財布と電卓を手に困っている女性(「gettyimages」より)
「gettyimages」より

 収入がなかなか伸びない時代ですが、食品を中心に生活必需品の値上げラッシュが続いています。いつの間にか「お金が全然ない!」と慌てる状態になるケースもあるかもしれません。

 でも、いざ頭を抱える状態になってから何とかしようと思っても、選択肢は限られてしまうもの。大きな問題になる前に、早めに回避する方法はたくさんあるので、ぜひ押さえておきましょう。

 今回は、「お金で困った!」を避ける前に、知っておきたいことを4つお伝えします。

鉄則1■困ったことがあれば、放置せずに早めに相談

 困ったことがあると「直視したくない」という気持ちが働き、目をそむけたくなるものではないでしょうか。

 でも、最初の段階で誰かに相談していれば解決法が10個あったのに、困窮度が増していくにつれて、手立てはどんどん減っていきます。解決法が2、3個くらいになるどころか、すでに手遅れで解決法が何もない、なんてことになってしまっては大変です。できるだけ早く、相談することが大事です。

 たとえば住宅ローンのケース。「ボーナス払いもしていたけれど、ボーナスがまったく出なくなり、年2回の返済が無理かもしれない」「転職をしたら、予想外に収入が下がり、月々の返済が厳しい」といったこともあるでしょう。

 万が一ローンを滞納し続けると、最終的には住宅を手放さざるを得なくなるので要注意です。意外にも、年収が高い人でも「お金に困っていることを相談するのは恥ずかしい」という気持ちが働き、そのような事態に陥ってしまうことがあると聞きます。

 返済が1回でも危ないと思った時点で、借入先の金融機関にすぐ相談しましょう。借入先の金融機関も、返済してもらえなくなると困るわけですから、返済期間を組み直したり、猶予をもらえたりという解決策がいくつかあります。「もういいや」とあきらめることなく、早めに相談しましょう。

鉄則2■「とりあえずググる」はいいが、鵜呑みは危険

 何か困ったときに、グーグルやヤフーなどでキーワードを入れて、対処法を検索する人は多いと思います。ツイッターやインスタグラムで検索する人もいるでしょう。

 もちろん、その方法でいい解決法にたどりつければよいのですが、何らかのビジネスに誘導するためのものが上位に出てくることも。必ずしも解決に直結するとは限りません。

 調べようと思っている時点で、自分はその分野に詳しくないわけですから、それがいいアドバイスなのか、それとも無駄にお金がかかってしまう悪いアドバイスなのか、判断がつかないはず。

“ググってみる”ことも大事ですが、一つの情報だけを見てすぐに行動に移さず、いくつか調べてみたり、周りの人や詳しい人に聞いてみたりしてからにしましょう。特に「お金に困った!」という状態は、詐欺などに遭う可能性も高く、さらに傷口を広げてしまいかねません。いつも以上に慎重さが必要です。

鉄則3■相談する先は、まずは「公の機関」

 では、困ったときはどうしたらよいのか。先ほどの住宅ローンの場合は、借入先の金融機関にすぐ相談する、という話をお伝えしましたが、それ以外の場合の相談先としては「公の機関」が真っ先に挙げられます。

 住んでいる自治体に独自の支援があることも。まずは、住んでいる自治体の窓口に相談してみてください。

 東京都世田谷区のケースで見てみましょう。HP「相談窓口」の紹介があり、税・保険・年金の相談をすることもできます。

 また、社会福祉協議会「ぷらっとホーム世田谷(世田谷区生活困窮者自立相談支援センター)」という相談場所もあります。生活困窮者自立支援法に基づき、国から委託を受けて世田谷区社会福祉協議会が運営しているもので、就労相談、家計相談などができますし、住居確保給付金や受験生チャレンジ支援貸付なども、条件を満たせば受けられます。

 その他にも、収入ダウンで困っている人が自治体で行われている無料セミナーや講座に参加し、仕事につながるというケースもあります。一度、お住まいの自治体のHPを眺めておくことをおすすめします。

 お金の一時的な工面のために、クレジットカードの返済をリボ払いに変えたり(手数料が非常に高く、返済がさらに困難になってしまいます)、「ちょっとだけ借りて、後で返せばいいや」などと、金利の高い消費者金融などに手を出したりしないようにしましょう。

鉄則4■支出のうち“固定費”を見直す

 お金に困ったときは、入ってくるお金だけでなく、出ていくお金の見直しも必要です。

 ところが、よくやってしまいがちなのが、やみくもに食費を削ってしまうこと。「毎日このカップラーメン1個」などと急激に削ってしまうと、体調は悪くなりますし、やる気も出なくなり、マイナス思考になるでしょう。

 まず、見直しとして着手すべきは“固定費”です。固定費とは、毎月同じくらいの金額がかかっているもののこと。たとえば、スマホ代、保険料、水道光熱費、サブスク代などが挙げられます。

 手っ取り早いのは、使っていないサブスクサービスを解約すること。「使うかなと思ったけれど、実際はほとんど使っていない」「最初の半年間は無料だと言われて入ったけれど、そのサービスを使わないまま、いつの間にか有料期間になっていた」というものはないでしょうか。

 サブスクは、解約をしにくいような仕組みになっているものが多々あります。クレジットカード明細や銀行口座の入出金情報のほか、スマホ決済にしているケースもありますので、スマホ代の内訳もしっかりチェックしてみてください。

 お金に困った状態になる前に、今のうちから固定費を絞っておき、その分、少しでも毎月貯蓄をしていければ、お金の余裕が生まれます。いざというときのために、生活費の半年以上を目安に貯蓄しておけると、安心感が増すでしょう。

「お金で困った!」という事態に陥ることのないように、上記の4つ、ぜひ心に留めておいてください。

(文=西山美紀/マネーコラムニスト)

西山美紀/マネーコラムニスト・ファイナンシャルプランナー

西山美紀/マネーコラムニスト・ファイナンシャルプランナー

出版社勤務後、2005年に独立し、FP資格を取得。単に貯蓄額を増やすのではなく、うるおいのある毎日のためのお金の使い方・貯め方について発信。Oggi、ミモレ、マリソル、LEE、日経DUALなどの女性誌・WEB等でマネーコラム連載、取材・執筆・監修等。著書に『お金が貯まる「体質」のつくり方』(すばる舎)、『はじめての積立投資・つみたてNISA・iDeCoもよくわかる!お金の増やし方』(主婦の友社)等。

Twitter:@writerN1225

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