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防寒インナー、コスパはユニクロよりしまむらが上?5社の製品を実際に着て比較

取材・文=文月/A4studio:外部執筆者

防寒インナー、コスパはユニクロよりしまむらが上?

 まだまだ冬の寒さが続く今日この頃。防寒インナーを着て出かけている方も多いだろう。 そんな防寒インナーといえば、もっとも有名なのは、やはりユニクロの「ヒートテック」シリーズ。とはいえ、そのほかのファストファッションブランドやPB(プライベートブランド)でもヒートテックに類する防寒インナーは販売されているが、ブランドによって機能性や材質は異なっているので、イマイチどこの商品が良いのかわからないのではないだろうか。

 そこで今回は「ユニクロ」「ジーユー」「しまむら」「イオントップバリュ」「ワークマン」から販売されている防寒インナーを比較し、どこの防寒インナーが優れているのか、忖度なしにレビューしていく。どの商品が優れているのか、最後に総評としてもっともコスパが良い商品を決めているので、ぜひ最後までお読みいただきたい。

 なお商品の選定にあたっては、手軽に購入できることを考慮し、税込1000円以下であることを遵守した。また各社、使用する材質によって金額が変動したので、今回は特に素材を指定せず比較することとする。

「ユニクロ」ヒートテッククルーネックT(9分袖)/990円(税込、以下同)

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 はじめに紹介するのは、冒頭でも紹介したユニクロの「ヒートテッククルーネックT(9分袖)」だ。

 2003年の発売から“薄くて暖かい”防寒インナーの定番として、多くの人に愛用されているヒートテックシリーズ。本品は、衣服に吸収された余分な水分を外に放湿することにより発熱、保温させる構造となっているため、暖かさを保持できているのだ。材質的にはポリエステル39%、アクリル32%、レーヨン21%、ポリウレタン8%で、速乾性のあるポリエステル、保温性に優れたアクリルが多めである。

 実際に着てみると、すっぽりと身体にフィットする着心地で快適。保温性も優れており、暖房をつけていない寒い屋内でも熱が閉じこもっているように感じ、身体の芯まで冷えることはなかった。外出用のみならず、部屋着のインナー使いにもぴったりの性能と評価できよう。

 価格は990円と、今回比較する商品のなかではジーユーと並んで最高額。ほかにもユニクロには、通常のヒートテックの1.5倍暖かいと言われる「極暖」、2.25倍暖かいとされる「超極暖」シリーズもあるので、より防寒したい方はそちらをおすすめする。

「ジーユー」スタイルヒートエクストラクルーネックT(9分袖)/990円

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 次はユニクロと同じファーストリテイリング系列であるジーユーの「スタイルヒートエクストラクルーネックT(9分袖)」。本品にはワンランク下の「スタイルヒートクルーネックT(9分袖)」(690円)があるものの、先に挙げたユニクロと同価格の商品ということで、両ブランドに違いはあるのか比較するべく選出した。

 本品はヒートテックと同じく、熱を逃しにくく保温性のある商品なのだが、より生地に厚みが出ている印象。ポリエステル55%、レーヨン41%、ポリウレタン4%とポリエステルの割合が高い。また防菌加工が施されており、部屋干しも楽に行えるので寒い時期には嬉しい。

 着てみると厚みがある分、ヒートテックより暖かさを感じられた。一般的な防寒インナーは、薄くてその暖かさをなかなか実感できないと思われるが、本品はウール製のインナーを着ているかのように保温性に優れていた。だが生地が厚めな分、若干蒸れているような感覚もある。いずれにしてもそれほど寒くないときであれば、これ一枚に羽織ものを被るだけで出かけられるだろう。

「しまむら」ファイバーヒート長袖丸首シャツ/759円

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 続いて、しまむらの「ファイバーヒート長袖丸首シャツ」を紹介しよう。

 こちらも湿気を発散して熱を発する構造となっているが、一際特徴的なのは、匂いへの対策。商品の説明によれば、成人男性特有の悩みといえる匂いの元となるアンドロステノンの増加を抑えられるとのこと。また毛玉を作りにくい抗ピリング性の構造になっており、着ていくうちに服がゴワゴワすることもなさそうだ。材質はレーヨン70%、アクリル25%、ポリウレタン5%とレーヨン多めなので、やはり吸湿性はあるだろう。

 そして、着てみてはじめに感じたのが、その柔軟なストレッチ性だ。試しに生地を引っ張ってみると、今回紹介する防寒インナーのなかでもっとも伸縮性が高かった。防寒インナーは、身体に密着させるような仕組みであることが多く、身体を締め付けられるような感覚になるかもしれないが、特に窮屈さを感じることなく楽に着用できた。

 少々生地は薄く肌寒さこそ感じるものの、上に着込んでおけば問題ない。これで価格が759円というのだから、かなりコスパは高いといえるだろう。またしまむらには、979円で裏起毛が付いている「暖プレミアム」シリーズもあるので、より高い防寒性を求める方はそちらを選択肢に加えてもいいだろう。

「トップバリュ」ピースフィットウォーム 9分袖クルーネック/968円

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 イオンのPBトップバリュが発売する「ピースフィットウォーム 9分袖クルーネック」。

「ふわっと、なめらか」というキャッチコピーが付けられているだけあり、触り心地が良い本品。毛羽を抑えたマイクロアクリル糸を使い、熱を保持させる作りになっている。また、ポリウレタン糸によって伸縮性を出すことにも成功しており、身体に密着させることができるという。材質はアクリル47%、レーヨン47%、ポリウレタン6%と保湿、保温しやすい構造になっているのだろう。

 着てみると、しっかりと身体にフィットし、肩を動かしても特に可動性が損なわれることはなかった。ただほかの防寒インナーに比べて、袖の部分の作りが甘いのは難点。しっかりと手首をホールドできてないので、風が入ってしまい少しだけ冷えてしまった。

 価格は968円と本記事3番目の金額だが、身体の一部のみ十分に暖められていないので、価格に見合う性能かどうかは微妙なところ。一応、本品には生地に綿を使用した「ピースフィットウォーム 綿」、より防寒に特化した「ピースフィットウォーム 厚地」もあるので、性能を見比べてみるのも面白いだろう。

「ワークマン」ウォームエアーコットン V型シャツ半袖/780円

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 最後は現場作業、工場勤務向けの専門店ワークマンの「ウォームエアーコットン V型シャツ半袖」を紹介する。長袖もあるので、本来であればそちらを購入したかったのだが、あいにく売り切れだったので、今回は半袖のほうをレビューしたい。

 これまで紹介してきた商品とは違い、メイン素材に綿を使用した本品。その割合はなんと95%(残り5%はポリウレタン)。天然物質である綿は化学繊維とは異なり、吸水性が高く、通気性も抜群な素材。そのため、繊維に空気が含まれるので暖かさを保持できるというわけだ。また本品は、吸湿発熱はもちろん裏起毛も付いているので、より体を温められるのではないだろうか。

 さっそく着てみたが、ピシッと体に張り付く感じで窮屈さを覚えつつも、綿であるせいか、体温により短時間でどんどん暖かくなるのがわかる。しかし、合成繊維の滑らかな肌触りはなく、ゴワゴワした着心地であったのは否めない。保温性はバッチリだが、生地が固くしっかりと身体に吸い付く着心地なので、人によって好みが分かれそうなところである。

 なおワークマンには、本品の厚地バージョンである「ウォームファクトコットン」、ウール100%の「メリノウール」もある。冬場でも野外で作業をする方向けの商品となっているので、防寒性には期待できるだろう。

優勝は……しまむら!

 それでは、5ブランドの防寒インナーを総評していこう。

 まず肝心の暖かさについてだが、ブランドによって如実に差が出ているとは感じられなかった。各ブランドによって使用素材は違ってはいたものの、どこも吸湿発熱という構造を持っているので、差が出にくいのかもしれない。一応、生地に一番厚みがあったジーユーの保温性は十分だったと思うが、ほかのインナーも着込むうちに暖かくなるので、時間が経てばそこまで差は出ないというのが正直な感想だ。

 では暖かさ以外の機能性や価格を考慮して、コストパフォーマンスの高さを評価していこう。そう考えると、本記事としてはしまむらを推したい。

 しまむらは、ストレッチ性に優れているので着やすいし、ストレスなく着こなすことができる。また触り心地も良く、肌に密着していても、まるで何も着ていないかのような着心地だったので、肌に敏感な方でも楽に着用できると考えられる。

 そして何より評価したいのが、759円という価格の安さ。今回紹介した商品のなかで最も安い価格だったので、この機能性の高さを踏まえると、しまむらの企業努力には脱帽せざるを得ない。

 もちろん、ほかのブランドにも利点はあった。ユニクロは寒いなかでも熱を発して身体を温めてくれたし、ワークマンは綿素材だったので保温性は十分にあった。しかし、総合点でみると、やはりしまむらの防寒インナーが一番コスパに優れているといえるだろう。

 各ブランドいずれも今回紹介した製品の上位モデルがあるので、一概にどのブランドが一番とはいいがたい。そのため今回の記事はあくまで一意見だということを参考にしていただき、気になる方は自分に合う商品を探してみてほしい。

(取材・文=文月/A4studio)

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エーヨンスタジオ/WEB媒体(ニュースサイト)、雑誌媒体(週刊誌)を中心に、時事系、サブカル系、ビジネス系などのトピックの企画・編集・執筆を行う編集プロダクション。
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