テスラ「モデル3」に試乗!日産「リーフ」やガソリン車など比較にならない異次元の加速に興奮
2月11日付本連載記事『日本初公開…テスラ「モデル3」、“度肝を抜かれた”試乗体験レポート』に続き、テスラの「モデル3」の試乗体験をレポートする。
モデル3の日本初試乗は、15インチタッチスクリーン1枚だけの異質なコクピットに気圧され、ドライブするまでには至らなかった。その顛末は前回記事で紹介した。
だが、見て座っただけでインプレッションを終わらせるわけにはいかない。今回は実際に走らせた印象を報告しようと思う。もちろん、アドバイザーのMr.Mattを同乗させて、である。そうじゃないと、操作の方法がまったくわからないのである。
とはいうものの、運転そのものはイージーである。発進までの段取りや、目的地設定、ドライブモード設定などは、15インチモニター内で階層を巡るなどしてアジャストする必要があるから、慣れぬ身には難解ではある。だが、ステアリングコラムに生えたレバーを下げてDレンジに合わせれば、あとは一般の自動車と変わることはない。アクセルペダルを踏み込めば、電気モーターのパワーでスルスルと音もなく発進するのである。ただそれだけだ。
それにしても、EV(電気自動車)モデルの発進は独特である。特にテスラのそれは、「モデルX」がそうであるように、相当に力強いことを特徴とする。試乗モデルは、3種類存在する仕様のうちのひとつ「ロングレンジバッテリーAWD」だった。この下位に後輪駆動の「ミッドレンジバッテリー」仕様があり、上位には最強の「パフォーマンスバッテリー」仕様が用意されている。
ラインナップの中の中間モデルとはいえ、加速感は力強い。日産自動車「リーフ」や三菱自動車「i-MiEV(アイ・ミーブ)」などとは比較にならないほど、まったく異質な加速である。決して車重は軽くはないのに、パワー感は内燃機関のガソリン車よりも圧倒的に力強い。
アクセルペダルを踏み込めば、その瞬間に最大トルクを発揮するというEVの特性上、間髪容れずに加速モードに吸い込まれていく。助手席のMr.Mattの指示に従ってアクセルを床まで踏み込んだら、ちょっと吐き気がするほどの強烈な加速Gが襲ってきた。身構える前の不用意な加速は、同乗者に失礼なほどだ。
「0-60mph加速は、ガソリンエンジンを搭載するスポーツカー並みの4.5秒です」
Mr.Mattがそう説明するものの、ガソリン回転の上昇に比例してパワーが嵩上げされていくガソリンモデルの加速フィールではなく、動き出しの最初の一歩から蹴飛ばされるようにダッシュをするから、思わず右足に込めた力を緩めてしまいそうになった。