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木下隆之「クルマ激辛定食」

テスラ「モデル3」に試乗!日産「リーフ」やガソリン車など比較にならない異次元の加速に興奮

文=木下隆之/レーシングドライバー

自動運転の世界も間近に

テスラ「モデル3」に試乗!日産「リーフ」やガソリン車など比較にならない異次元の加速に興奮の画像3

 興味深いのは、アクセルをオフにした瞬間に、鋭い減速Gが発揮されることだ。ブレーキペダルを踏まなくても、である。というのも、モデル3はアクセルオフすると強い力で電力を回生するように設定されている。不用意なアクセル全閉では、ブレーキペダルを強めに踏んだかのように減速する。加減しなければ、停止線のはるか手前で止まってしまい、あらためて加速し直す必要があるほどである。慣れるまでは、ピタッと狙ったラインに止めることができなかった。いわば強烈なワンペダル感覚である。将来的には、ブレーキペダルすらなくすつもりなのだろうと想像した。

 足回りは、ロールを嫌った設定のようで、グラグラと不快に傾くことはない。それでいて乗り心地はしっとりとしている。浮遊感すらある。

 ちなみに、クルーズコントロールとレーンキープアシストを連携させてドライブすると、それはもう自動運転の世界がすぐそこに迫っていることを確信させた。無数のカメラが周囲を監視しており、それはモニター上でリアルタイムに表示されている。サイドをかすめていくバイクも認識している、という精度の高さである。

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 設定してしまえば、前車に忠実に追走するばかりか、信号手前では静かに停止する。信号が青になれば、すぐさま追尾モードに移行する。レーンキープは完璧に近い。いきなり割り込まれても、モデル3は急ブレーキを踏むことなく自然に間隔を空けた。前にクルマがいるから車間距離をとるのではなく、前に割り込みがありそうだから、あらかじめ車間をキープするという感覚である。この精度は、世界でもっとも進んでいると感心した。

 いやはや、テスラの日本国内導入は大幅に遅れているという。だが、デビューはすぐそこに迫っている。導入された瞬間に、日本市場は興奮に包まれることだろう。そう確信する。

アメリカでは4万2900ドルからの設定です。日本円で470万円あたりでしょうか。極めてお買い得だと思いますよ」

 試乗をアレンジしてくださったMr.Mattは、そう言ってウインクをした。
(文=木下隆之/レーシングドライバー)

木下隆之/レーシングドライバー

木下隆之/レーシングドライバー

プロレーシングドライバー、レーシングチームプリンシパル、クリエイティブディレクター、文筆業、自動車評論家、日本カーオブザイヤー選考委員、日本ボートオブザイヤー選考委員、日本自動車ジャーナリスト協会会員 「木下隆之のクルマ三昧」「木下隆之の試乗スケッチ」(いずれも産経新聞社)、「木下隆之のクルマ・スキ・トモニ」(TOYOTA GAZOO RACING)、「木下隆之のR’s百景」「木下隆之のハビタブルゾーン」(いずれも交通タイムス社)、「木下隆之の人生いつでもREDZONE」(ネコ・パブリッシング)など連載を多数抱える。

Instagram:@kinoshita_takayuki_

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