総会屋なき荒れない株主総会はつまらない?不毛な質疑応答、内輪もめの議論…

洗練された一方、質疑応答は低調に

 以上、各業種を代表する3つの企業の株主総会を巡り、発言した結果だ。

 全体の印象としては、よくいえば洗練された、悪くいえば形骸化した、と表すことができるだろう。総会屋が仕切っていた時代とは異なり、会場の前方で挙手すれば、誰でも発言できるようになったことは好ましい。

 しかし、一方で独特の緊迫感は薄らぎ、質疑の内容も低調になっているように思えた。

 ただ、感心したのはいずれの企業も、ひな壇に並ぶ経営陣が終始生真面目な表情を堅持していたことだ。ある総会では、緊張と興奮のためか、発言の最中に入れ歯が外れてしまったらしい(途中から著しく言語不明瞭になった)シニア株主がいて、思わず笑ってしまったのだが、議長をはじめ壇上の面々は口元ひとつ緩めなかった。

 これも、ささいなきっかけで荒れた時代の総会を経験した世代ゆえだろう。
(文=島野清志/評論家)

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