大塚家具、久美子社長の「経営失敗」で過去最悪の赤字…「購入する客」激減、社長退任要求も
大塚家具の株主総会が3月24日に開催され、第46期(2016年12月期)の業績報告や、役員の再任などが諮られた。私も個人株主として出席して、株主質問を2回行った。
一昨年の同社総会では大塚勝久会長(当時)とその実娘・大塚久美子社長が対決して、「親娘の経営権争い」として大いに世間の注目を浴びた。今回、足元の業績悪化を受けて、現経営陣への非難、糾弾的な株主総会となるという観測も一部にあったが、実際の総会では意外なほど久美子社長への支持が強かった。
以下、総会の実況中継的な報告である。
未曾有の業績悪化
10時に定刻開始された総会では、壇上に取締役と監査役など役員14名が居並んだ。久美子社長が議長として中央に立つ。白いスーツのいわゆる勝負服だろうか。最初の挨拶で咳払いが入るなど、緊張感を漂わせながら総会は始まった。
久美子社長は同期の業績不振の謝罪から入った。これは当然だろう。16年の売上高は結局463億円と、前期比20.2%もの大幅減である。同社としては過去15年間で最低となった。営業損益は45億円の赤字であり、前期の4億4000万円の「かろうじて黒字」から大きく減じ、09年以来の同社にとって過去最悪の赤字を計上した。
同期決算で問題なのは、期中に2回行った期末業績予想がいずれも下方修正だったこと、そして通年決算は最後の修正予想をも下回った着地となるなど、経営のグリップ力が問われる推移となってきたことだ。
同期中に繰り返されたこれらの悲惨な「大本営発表」を受けて、今回の総会前には世界最大手の米議決権行使助言会社であるISS(Institutional Shareholder Services, Inc.)が、久美子社長の再任を「否決すべき」と推奨した。
課題は何か
続く「事業報告」で久美子社長は、次の4つの課題に取り組むことにより、業績の早期改善を目指す、とした。