意外な事実…PTAが「子供に見せたくない番組」を発表するワケ
(よしもとアール・アンド・シー)
人気放送作家の鮫肌文殊氏と山名宏和氏が、知ってトクもしなければ、自慢もできない、だけど気になって眠れない、世にはびこる難問奇問を直撃解決!する連載「だから直接聞いてみた」。月刊誌「サイゾー」で連載されていた同企画(宝島社より単行本となって発売中!)が、ビジネスジャーナルにて復活!
今週は、鮫肌文殊氏が、“子どもに見せたくない番組”を発表する意味について聞いてみた。
[回答者]PTA様
我々、バラエティー番組を作っている放送作家にとって、毎年PTAが発表する「子供に見せたくない番組」っていうヤツは一種の「逆ステイタス」である。自分の担当しているレギュラー番組がその「見せたくない」番付にランクインしていると妙に嬉しい。
今年で47歳になるのだが、私が子供の頃は、いわゆる「昭和の俗悪バラエティー」の黄金時代。ドリフターズが食べ物を思いっきり粗末にして笑いをとっていたなんでもアリな時代。志村けんのスイカの早食いを見て、ブラウン管の前で拍手喝采を送っていた世代だ。
ドリフは当時のPTAに、さぞ目の敵にされていたに違いない。裏番組のひょうきん族もヒドかった。今でも覚えているのだが、ビートたけしが女子高生とやっちゃったシチュエーションコントで「こんなことをするのはオジサンを最後にするんだよ」ってやるだけやった後で最後に説教する……なんて極悪ネタを平気でオンエアしていた(笑)。
ゴールデンの時間帯でも、芸能人水泳大会になればどう見ても怪しい女性たちが『お約束のポロリ』要員として騎馬戦に紛れ込んでいて、バンバンおっぱいを出してたしなあ……(遠い目)。
イカン!
現在の、まずコンプライアンスありきな地上波のテレビ界のことを思って、つい「昔のテレビ界は規制もユルユルで良かったなあ」モードに入ってしまった。でも今でも、規制をものともせず、笑いのために頑張っている「バラエティーの侍」たちは存在する。例えば、今年で9年連続「保護者が子供にみせたくない番組」の王座を守り続けている『ロンドンハーツ』(テレビ朝日系列)。構成を担当している同い年の作家仲間、中野俊成に聞いたところ、やはり「これはある意味、バラエティーにとっての勲章だ」と思っているらしい。