危機マック、心の離れた客はもう捨てよう 従来路線のままでは危機深刻化 再建策を検証
日本のマクドナルドに関していえば、14年12月末現在では全3164店舗中フランチャイズは2151店にとどまり68%と、世界標準からは大きくかけ離れている。今後は不採算の直営店を大幅に削減するなどして、米国本社が目指すフランチャイズ率90%へと近づけていかなければならないだろう。
また、フランチャイズ化の促進とともに、「ローカライズ」の強化が業績復活の鍵を握る。今や消費者は十把一絡げでは、捉えにくくなっている。その意味では店舗ごとに来店顧客の特徴は大きく変わり、それゆえ商品やサービスも顧客に合わせて提供する必要があるのだ。そこで、各店舗にある程度の経営の自由度を持たせることにより、フランチャイズオーナーが独自に考えて顧客を満足させる施策を取ることが可能になってくる。そうして地域密着型でコアなファン顧客の来店頻度を高めていけば、無理にクーポンやキャンペーンを実施してファンでもない顧客を集める必要がなくなってくるのだ。
このようにマクドナルドは、どんなことがあろうとも変わらず応援してくれるコアなファン顧客と、同社の掲げるビジョンに共感して共に道を歩んでいこうと決意した熱意あるフランチャイズオーナーを強い味方にしていくべきではないか。それにより今一度ビジネスの基礎を固めて着実に利益の上がる体質に改善していくことで、現在の真っ暗闇の状況の中に一筋の光明を見いだすことができるのではないだろうか。
(文=安部徹也/MBA Solution代表取締役CEO)