肉を過剰摂取する人類を「最悪の事態」が襲う!過剰肉食を推進する「大きな存在」があった!
筆者は、誰が何をどう食べようが、どれほど食べようが、それはその人の自由だと基本的には思っています。つまり、食べているものについて文句をつける気など、さらさらないことを初めに申し上げておきます。
それにしても、昨今の「動物性たんぱく質」偏重傾向にはいささかあきれ気味です。愚かな説に、まんまと乗せられる人ばかりとは思いたくもありませんが、「どの程度の動物性たんぱく質を摂取するのが適切なのか」という問いに対して、明確に答えられる人は、それほど多くはないでしょう。
消化酵素の質や量は人によってかなりの違いがあり、体調や年齢、その日の気候によっても消化能力に変化があります。それを承知の上で、たんぱく質の適正な摂取量に関してひとつの目安になるのが、最新の栄養学でいわれている「1日に体重1キログラム当たり0.8グラム程度」というものだと思います。
体重70キロの人であれば1日に56グラム、60キロの人で48グラム、50キロの人で40グラムのたんぱく質を摂ればいいというわけです。これは1日の摂取量なので、1食だともっと少なくなります。しかもこの数字はたんぱく質の量であって、「肉を100グラム食べたからたんぱく質を100グラム摂った」ということにはなりません。
米などの穀物や豆類などからもたんぱく質は摂れますし、野菜類にも植物性のたんぱく質は含まれていますから、それも計算に入れると、動物性たんぱく質の量は意外なほど少なくてよいということになります。
肉50グラムでも摂取適正量オーバー
具体例を挙げて考えてみましょう。体重60キロの人の1日当たりの適正なたんぱく質摂取量を48グラム(60キロ×0.8グラム=48グラム)と仮定して、1日2回食事をするのであれば、1回の食事で24グラムのたんぱく質を摂ればよいと考えます。
1回の食事の重量を500~600グラム程度とすると、動物性たんぱく質(この場合、料理された肉や魚のことを指しています)が10%でよいとする筆者の説では、50グラムの肉または魚を食べることになります。そこに含まれているたんぱく質量は、概算で12グラム程度です。
加えて、これも筆者が唱えている説を採用すると、未精製の穀物を30%摂取した場合には、ごはん1杯の重量は約150グラムですから、その中に含まれるたんぱく質約4グラムを摂取できることになります。