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小薮浩二郎「食品の闇」

食品添加物、人間での安全性試験をしていなかった!動物試験のみ、有害作用情報の収集をせず

文=小薮浩二郎/食品メーカー顧問
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食品添加物、人間での安全性試験をしていなかった!動物試験のみ、有害作用情報の収集をせずの画像1「Thinkstock」より

 医薬品の場合には動物で試験を行なった後、医師の立会いのもとで人による試験を行います。いわゆる臨床試験です。この試験で本当に人の病気に効くのか(有効性の確認)、安全性はどうなのか(悪い作用、副作用)が調べられます。医薬品の場合、動物試験はあくまでも人に対する試験の前段階にすぎません。

 動物での試験結果をそのまま人に当てはめることができないので、多くの費用と時間をかけて人での試験(臨床試験)を行っています。

 医薬品は病気を治療するために必要です。

 しかし、食品添加物は本当に必要でしょうか。

 食品添加物は多量に食品に含まれています。合成着色料、合成乳化剤、加工デンプン(合成デンプン)、イーストフードなどのように、使用量の制限がないものあります。

 私たちはこれらの添加物を幼児から高齢者になるまで何十年も摂取するのです。添加物は医薬品のように病気を治すというような大きなメリットはないのですから、医薬品以上に人に対する安全性の証明をすべきです。せめて医薬品並みの証明をすべきです。

行われるべき添加物の安全性試験

 要点を簡単にまとめてみましょう。

【医薬品】

(1)動物での試験…安全性、有効性の検討。
(2)人間での試験(医師立会い)…安全性、有効性、副作用の検討。
(3)発売後も副作用(悪い作用)情報を集めて医師、薬剤師などに知らせている。
(4)病気を治すために、ぜひ必要。がんを根本的に治す薬、難病を治す薬、耐性菌感染症を治す薬など、さらに優れた薬が研究されて世に出されることが望まれます。

【食品添加物】

(1)動物での試験…安全性の検討。
(2)人間での安全性試験は行なわれていない。
(3)発売後に有害作用(副作用)の情報を集めていない。
(4)消費者に必ずしも必要ではない。たとえば、合成保存料がなくても冷蔵、冷凍、脱酸素剤、水分活性の調節、レトルトなどで対応できます。食品を今以上に美しくするために新しい合成着色料がどんどんこの世に登場し、色々な食品に混ぜ込まれることは望ましいことでしょうか。

 私は、次のような試験を行うことを提案します。

(1)添加物を人間に経口投与する。
(2)血中濃度を調べる。
(3)詳しい血液検査を行なう。
(4)心電図、脳波、CTなど解剖を伴わない検査を行なう。
(5)がん発生の有無。
(6)精神状態の異常の有無。
(7)神経系に対する異常の有無。

小薮浩二郎/食品メーカー顧問

小薮浩二郎/食品メーカー顧問

1945年、岡山県生まれ。九州大大学院農芸化学専攻(栄養化学講座)修了。製薬会社の研究部門ほか、添加物開発の最前線で添加物研究に従事する。研究歴40年以上で、第一人者。現在は、食品会社の顧問、食品販売会社特別顧問(品質管理)に携わる。著書に「悲しき国産食品」「食品業界は今日も、やりたい放題」「食品選び・おとなの知恵 ちょっと高くても、コッチ!」など。

Twitter:@eQuqANeNct8MdU5

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