「老人化する子供」の骨折増加…サプリで栄養補給&炭水化物依存が体を滅ぼす
私たちの体を構成している要素は、時々刻々入れ替わっています。だから、私たちは必要な栄養素を常に補給し続けなければならないという、宿命を負っているともいえるわけです。そうしなければ、体を正常に維持することができません。
体を正常に保つために必要な2つの栄養素は、「必須栄養素」と「植物栄養素」です。この2つの栄養素は、内容が異なっており、互いに補完関係にないので、常に最適(オプティマル)な量を食事から摂取し続けなければなりません。その食事が、私たちの体をつくっていくのです。
実は、「体」という字は、本来は「體」と書きます。筆者の友人の歯科医師は、「體をつくるには、豆が必要なんだよね」と言います。さらに、彼はこのように持論を述べています。
「南さんがいつも言っていることは納得できる。豊かという字には、豆が使われている。だから、豆料理がたっぷり出ている食卓は、それだけで豊かな感じがする。體という字は、骨が豊かと書く。まさしくそうだと思う。丈夫な體は、骨がしっかりしているものだ」
なるほど、と納得してしまいましたが、体の各部位を表す字にはたいてい「月(にくづき)」が付きますが、これは「肉」という字が変化したものと考えられています。しかし、全身を指す「體」という字に「月(にくづき)」は使われず、「骨が豊か」と表されているのです。これは単なる偶然ではなく、真実を悟っていた先人たちが、考えに考えた末につくった文字なのでしょう。
最近の子供たちは骨が弱くなっていると、よくいわれます。医療現場で働く看護師さんたちは、そのことを身近に感じていて、ちょっと高いところから飛び降りただけで骨折するような骨の弱い子供が増えていると言っています。昔だったら考えられないような事態が、現場では起きているのです。
骨は主に、膠(にかわ)様質と呼ばれる有機物と、石灰質と呼ばれる無機物の2種類の内容物からできています。有機物は骨に弾力性を与えることで、骨折をしないように身を守っています。一般に子供の骨は、有機物に富み弾力性があり、骨折を起こしにくいのですが、最近はそうではなくなっているのです。
高齢になると、骨の中の有機物が少なくなって弾力性にも乏しくなるので、骨折しやすくなります。今の子供たちは、もしかしたら体が老人化しているといえるのかもしれません。骨に含まれている無機物は、大半がリン酸カルシウムで約85%を占めるといわれています。ほかには炭酸カルシウムや、リン酸マグネシウムが多く、それらは骨を硬くし、丈夫に保つ働きをしています。