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2023.06.02 19:40
2017.06.21 00:21
石原結實「医療の常識を疑え!病気にならないための生き方」
痙攣や精神錯乱も…危険な熱中症、なぜ低温や室内でも多発?簡単な防止法?
「水毒」は漢方医学独特の概念かと思っていたら、そうではなく、西洋医学にも「水中毒(water poisoning)という用語があった。『NANZANDO’S MEDICAL DICTIONARY』(南山堂)によると、「水を多飲して排泄と排尿の平衡が破れると、不安、めまい、頭痛、吐き気、下痢、痙攣、アタキシー、昏睡などの症状を是し、はなはだしい場合には死に至る」と「水中毒」の詳細がなされている。
よって、飲みたくもない水分を無理して摂取し、今述べた症状のひとつでも2つでも発現したら、「水(中)毒」を疑う必要がある。「水(中)毒」の具体例については次回に譲る。
体温調節能力を高める
さて、話を「熱中症」に戻す。
50年前までの我々の幼少期から青年期までは、クーラーなどは存在せず、うちわや扇風機で涼をとっていた。炎天下で長時間歩いたり、労働したりすることで、日射病にかかる人はいたが、その予防には麦わら帽子をかぶることを勧められていた。当時の室内は、今よりずっと蒸し暑かったが熱中症にかかる人はほとんどいなかった。
よって今流行の熱中症は、暑熱や湿気だけが原因ではないといえる。
真の原因は「我々、現代人の体温調節機能が低下、劣化している」点である。暑いときは発汗する。その汗(水分)が蒸発(気化)していくときに、気化熱を体から奪って、体温を低下させる。このメカニズムで人類は何百万年もの間、暑さをしのいできた。
しかし最近はいたるところにクーラーが設置されており、汗をかく機会が減った。その結果、「発汗による体を冷却する能力が劣化してきた」ために、熱中症で倒れる人が増えた、といっても過言ではない。
よって日頃から、運動、入浴、サウナ浴、岩盤浴、ホットヨガなどを励行して発汗し、体温調節(低下)能力を高めておくことこそが、真の「熱中症対策」といえるのではないか。
(文=石原結實/イシハラクリニック院長、医学博士)
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